思い出の味～「シーフードレストラン メヒコ」のカニピラフ

ファミリーレストランといえば、皆さんは何を思い浮かべるだろうか。

今ならば、低価格で気軽に食べられるサイゼリヤ、ジョイフル、幸楽苑。
ちょっとグレードが上がって、ガストにビッグボーイ、バーミヤン、ジョナサン。
さらに高級路線のところだと、ココスやデニーズ、ロイヤルホストあたりが馴染み深いだろうか。

自分がガキだった頃（1980年代半ば）、ファミリーレストランはまだそれほど展開されておらず、今ほど一般的ではなかったと思う。

ファミレスも含めてだが、外食といえば、本当に年に数回、家族の誕生日やお祝い事があったときに限り、行けるものというイメージ。
外食するということは、当時のウチの家族にとってそれほど贅沢なひととき、いわば一大イベントだった。

で、一番行った記憶が多いのが、現在のビッグボーイの前身である「ミルキーウェイ」（お子様ランチ、特にハンバーグが美味しかった）

一番インパクトが大きかったのが、今回取り上げた「シーフードレストラン　メヒコ」である。

今は福島県、茨城県、東京都でローカルレストランチェーンとして展開・営業している
「シーフードレストラン　メヒコ」だが、その昔は泉市（現仙台市泉区）にもフラミンゴ館と水族館の２店舗があった（と記憶している）。
（残念ながら、現在は宮城県内には店舗が一軒もない）

ここの名物料理はカニピラフ！

子どもにとって、カニピラフはご馳走である！

注）↑画像は、当時の仙台泉店ではなく、現在も営業中の別店舗のものです。

そして、フラミンゴや水槽の魚たちを傍らに見ながら、カニピラフを食べるという行為は、何より心躍るものであり、当時の子ども心に強く印象づけた！

例えるなら、この興奮は、小学生当時に仙台準場所で巡業に来ていた小錦の相撲を初めて生観戦したときと同じぐらいあったのではないだろうか。

余談だが、カニピラフは、「殻付き」と「むき身」の好きな方を選ぶことができる。

殻付きを選ぶと、殻を割るための専用のはさみと身をほじくるスプーンと、指先を洗うためのフィンガーボウルが出てくる。自分がフィンガーボウルというものの存在とその使い方を覚えたのは、たぶんこの時が初めてである。一般的には、結婚式とかで西洋料理のフルコースを初めて食べたときなどに経験するんだろうけどね。

ところが、しばらくしてバブルがはじけると、世間ではフラミンゴ館と水族館スタイルのレストランは飽きられてしまったのか、それとも施設の維持費が負担だったのか、いつの間にかメヒコは仙台市泉区から姿を消してしまい、数回食べただけで幻の味となってしまった。

もう二度と、フラミンゴや水槽の魚たちを見ながら、あのカニピラフを味わうことはできないのか。そんな思いを引きずりながら、時間だけが過ぎていった…。

それから10数年…。
今の職場で同年代の仙台出身の同僚と酒飲み話で子どもの頃の思い出について語っていたときのこと。

たまたま「メヒコ」の水族館が話題に上がったのだが、聞くと、何と今でも福島県内で営業を続けているというではないか！
じゃあ、久しぶりに行ってみようじゃないかとなり、私は同僚とともにさっそくメヒコ（郡山フラミンゴ館）へ赴いた。

この時の、大人になった自分がフラミンゴを見ながらカニピラフを再体験した感動は、今でも忘れられない。

…なぜ、こんなことを急に思い出したかって？

とある学生時代のバイト仲間が、今、リフレッシュ休暇で嫁実家のある郡山市に来ているという話を聞いたからである。

嫁実家は喫茶店を営んでいるというので、今度の休みはコーヒーでも飲みに行ってみようか。

そのときは当然ながら、「シーフードレストラン　メヒコ」にも寄ってみようと企んでいるところである( *´艸｀)