ぼっち旅~ 新潟県長岡市編
この日(3/11)、中央競馬のメインレースには桜花賞トライアルのアネモネS(中山)とフィリーズレビュー(阪神)、大阪杯の前哨戦・金鯱賞(中京)がズラリ勢ぞろい。
競輪は、玉野の記念競輪(GⅢ)「瀬戸の王子杯争奪戦」が最終日(決勝)を迎える。
同人イベントだと、東京池袋でサンシャインクリエイション75(2018 Spring)が開催。
ああ、俺の身体が複数あればな…となる、自分の興味・関心ある分野だけでもぜひ行きたい催しが目白押しの一日である。
ただ、一生に一度ぐらい、どうしても観に行っておきたいお祭りが、この日開催されることを知っていた私は、眠い目をこすりながら、ある場所を目指していた。
自宅を出て、二度ほど途中休憩を挟んで、ひたすら車を走らせること約3時間半。
着いたのは、雪深い山村―。ここは、新潟県長岡市下来伝である。
新潟県のほぼ中央、長岡市栃尾地域の市街地から南へ7キロほど来たところである。
こんな山の中で、いったいナニが行われるのかというと、アレである。
春を呼ぶ越後の奇祭、「ほだれ祭り」である。
このお祭りは、毎年3月の第2日曜日に開催日が固定されており、今回で39回目を数える。
ほだれ祭りとはいったいどんなお祭りなのか…。
ほだれとは「穂垂れ」つまり稲や粟がたわわに実り、穂先が垂れる形に由来する言葉で、農耕の実りを表します。
道祖神のひとつである男根形のほだれ様は農耕の実りと人の実りを守る神様として、古くから信仰されてきました。
下来伝地区には、日本一の大きさを誇る「ほだれ様」が祀られており、毎年3月の第2日曜日には地区をあげて、高さ2.2m、重さ約600kgの巨大な男根形の御神体のご利益にあやかろうとする「ほだれ祭り」が催されます。
初嫁を神輿に仕立てた御神体に乗せ、これを男衆が担いで五穀豊穣と子宝・安産を願います。小さな村の祭でしたが、噂が噂を呼んで、今では市外・県外からも観光客やカメラマンが訪れる祭となっています。
(栃尾観光協会HPより転載、一部編集。)
豊穣予祝の行事といえば、「田縣神社豊年祭」(小牧市)や「法多山の田遊び祭り」(袋井市)、「徳丸北野神社の田遊び神事」(板橋区)などがあるが、これらのお祭りと趣旨は同じなのであろうか。(詳しい人、教えてください)
さて、定刻でお祭りが始まり、神木の大杉に巻かれる「大しめ縄」が入場である。
このしめ縄だけでも重量が200キロあるという。
しめ縄を大杉に取り付けるだけでも結構な大仕事である。
修抜、清殿式、献撰の儀。
祭りの関係者(下来伝地区の代表者や観光協会のお偉いさん)に対し、神主さんがお祓いをしたのち、祭りの関係者たちが玉串を納めていく。
お手伝いをしている巫女さんがかわいい。向かって右側の子がポニテで好みだった(笑)
初嫁厄払い。
ほだれ祭当日で新婚1年未満の子宝と安産を願う花嫁さん(今年は8名)が紹介され、神主がお祓いをしたのち、初嫁たちが玉串を納めていく。
樽酒鏡開き。
祭りの参加者・見学者にお神酒が振舞われ、ほだれ大神への一般参賀が始まる。
しかし、当然ながら運転者なので飲酒はできない!祭りの警備で、ポリスメンが目の前にいるし。ぐぬぬ。(飲酒運転はダメ絶対!)
ここからは中休みということで、しばらくの間、まったりとした空気が流れる。
自分はこの間に、子宝飴などのお土産品を物色したり、たぬき汁をいただいたりした。
30分ほどで一般参賀はいったん終了し、いよいよ、ほだれ大神移降である。
一年ぶりに、ほだれ大神のご神体がお社から出され、お神輿に乗せられるのだが…。
ご神体の重量は600キロ!!大の大人が十数人がかりでも、移動させるのは重労働。
男衆が10分ほど格闘したすえ、ようやくお神輿の上にご神体が鎮座する。
ほだれ大神巡覧。
ご神体の上に先ほどの初嫁と飛び入り参加者(祭りの学生ボランティア)が乗り、子宝と安産を祈願して、しばし周辺を練り歩く。
神輿の担ぎ手は、これを4回繰り返していたのだが、もう息も絶え絶えの担ぎ手もいる。お疲れさま(笑)
なお、どこかで同じようなものを見たことがあるような…と既視感(デジャブ)を覚えていたのだが、どうやらこの「ひかる&あかね(双子の姉妹キャラ)」だった模様(笑)
社殿舞い込み。
約20分にわたる巡覧、練り歩きが終わり、再びご神体がお社に戻されていく。
さて、最後に祭りの参加者にとっては、一番のお楽しみの時間?!
富くじとお菓子の撒与、富くじの抽選会である。
賞品は、地元産の日本酒やお米など。
一等賞のほだれ大賞となると、米一俵が貰えるという(!)
今回拾えたくじは1個のみ(笑)だし、当たりくじは全部で10本程度なので、相当運が良くないとまず当たらない(爆)
→案の定、ハズレました。残念無念(´・ω・`)
抽選会が終了し、約3時間にわたる祭りは無事に閉会。
最後に、先ほどは混雑してできなかった、ほだれ大神への参賀をば。
昭和初期までならば、祭りの本番はむしろここからで、乱○パーティが夜通しで行われるんだろうけど。今は時代が違うからなぁ…。
この後は、道の駅R290とちおで、遅い昼食(油揚げそば)を食して、帰路についたのであった。
ほだれ祭りやかなまら祭りに興味を持ったきっかけは、大学の一般教養の講義で民俗学を受講したこと、同じ時期にヤングアニマル増刊嵐に連載されていた「御石神落とし(原作:永久保貴一、作画:増田剛)」にはまったことであろう。
特に自分の出身地である東北地方では、農村地帯ゆえにこの手の祭りや伝承が多く、(エロの)ネタには事欠かなかったのも大きい。
機会があれば、今後もこの手の話題を、当ブログで取り上げていきたいと思う。