日々是精進by馬人おぢさん

アラフォー、競馬をこよなく愛する量産型おっさんの日記です

思い出の味~ 洋菓子・パンの「ひらつか」(仙台市)

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街の小さなパン屋でフランスパンと菓子パンを購入していて、ふと思い出したことがあった。


ひらつか」と聞いて、みなさんは何を思い浮かべるだろうか。

 

中田英寿が在籍していた頃の「ベルマーレ平塚(現湘南ベルマーレ)」。

七夕まつり、湘南バンクを擁する平塚競輪場で有名な「平塚市」。

神奈川県民をはじめ、多くのみなさまが思い浮かべるのはこんなところが一般的だろう。


もし「ひらつか」と聞いて、すぐに「パン屋だ!」とピンときたあなたは、少なくとも「アラフォー以上の世代仙台っ子」だろう(笑)

今回そんな昔、昔の思い出話である。


今も昔も、若年ファミリー層の仙台市民が週末を過ごす場所として一番に挙げられるのは、青葉区一番町の「藤崎百貨店」周辺のアーケード街であろう。


自分がガキだったころ(1980年代)、我が家のおでかけの定番コースといえば、
藤崎百貨店でウインドーショッピングを楽しんだのち、最後に「ひらつか」へ寄って、
フランスパンやあんぱんといった菓子パン、調理パンを買って帰るというものだった。


少なくとも、1980年代までは仙台市民が口にするパンといえば「ひらつかのパン(平塚製パン)」や「昭栄のパン(昭栄製パン)(※)」など、地元ローカル企業が製造するパンの方が圧倒的に多かった


※昭栄製パン株式会社とは…
 宮城県仙台市若林区に工場があった、昭和5年(1930年)創業の老舗パンメーカー。
 一般に小売りされていたほか、学校給食にもここのパンが納品されていた記憶が。
 レトロなパッケージに、白クリームを挟んだ黒パン「南国の味クロパン」や「ブドーパン」、「ハムカツパン」、「粒ピーナツパン」、「カステラサンド」、「パピロバターパン」など商品のラインナップは多かった。
 風の噂では、後継者不在により、2009年12月29日をもって廃業。
 小学校時代の社会科見学で行く工場といえば、当時はここが定番で、出来立てふわふわのブドーパンをその場で食べたときの美味しさと感動は今でも忘れられない。

 なお、南国の味クロパンに比較的似たパンに、「フジパンの黒コッペクリームサンド」がある。

 

やがて時代が流れ、山崎製パンPasco敷島製パン)の大手製パン会社のパンが広く流通していく。
スーパーやコンビニに大手製パン会社の商品が卸され、仙台におけるパンの勢力地図が塗り替えられていくことになる。


2000年10月には、平塚製パン本店前で社員が賃金未払いによる座り込みを行うという騒動があった。
翌2001年3月には、平塚製パンが仙台地裁に自己破産を申請することに。
民間調査会社の帝国データバンクの情報によると、負債総額は約7億4000万円あったらしい。

2ちゃんねる地域板などから情報抜粋。一部編集済み。)


こうして、かつて仙台市民が慣れ親しんでいた「ひらつかのパン(平塚製パン)」は、仙台市中心部からその姿を消していったのであった…。

 


…さて、タイトルでは「思い出の味」と書いてしまったが、実は「ひらつか」のDNAを受け継いだ洋菓子を今でも食べることが可能だ(2018年3月24日現在)。

 

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石窯パン工房「ばーすでい」利府菅谷台本店でのみ販売されている「ビーピック(※)」がそれだ。

 

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↑ビーピック(1個280円(税抜)。写真は2個のパックである)


ビーピックとは…

かつて、「ひらつか(平塚製パン)(宮城県仙台市)」で販売されていた洋菓子のひとつ。
上部をキャラメルソースと香ばしいアーモンドスライスが覆い、カスタードクリームと生クリームを挟んだ生地がとても美味しい。
元々はひらつかで製造担当をしていた職人がレシピを持ち込み、以後、このお店のみで作っているという。人気商品なので、早々に売り切れることもしばしば。

たまに販売を中止している時期があるとのことなので、遠方から購入の際は、事前に販売されているか電話で確認をするのが吉。今期は3月20日から販売を再開した。

 

 

先日、春の彼岸で墓参りをしに仙台へ行った際、ちょっと足を伸ばして、ばーすでい利府菅谷台本店へ赴き、くだんのビーピックを購入してきた。


ほんの少しのともしびではあるが、「ひらつか」のDNAが今も場所を変えて生き続けていることに感謝しつつ、ビーピックを食べる。


そしてその夜、しばしの間、私はご先祖様に思いを馳せ、昔の家族の思い出に耽(ふけ)るのであった。

 

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「ひらつか」といえば、買物袋に印字された、店名の独特の書体(この記事の冒頭部分に画像があるので、ぜひ今一度見返してほしい)と、横を向いた婦人画が特徴であった。

ところで、あの婦人はいったい誰だったのだろう?(画家とか、誰か詳細を知っている方がいればぜひ教えてください。)

 

参考:

 石窯パン工房ばーすでい 利府菅谷台本店

住所:宮城県宮城郡利府町菅谷台3-3-1
  (宮城県総合運動公園 ひとめぼれスタジアム宮城の東側、すぐそば)

電話番号:022-395-8660

営業時間:8:00~19:00 (土日祝 7:30~19:00)

     (定休日:年中無休)


他の店舗(栗生愛子本店、名取本店、中山店、東北学院大学店)では、ビーピックの取り扱いはないので、注意されたし!!