ぼっち旅~神奈川県川崎市編
4月1日(日)、この日はとある祭りを観覧すべく、あるところに向かっていた。
川崎大師そばの「金山神社」で、毎年4月の第1日曜日に開催される、「かなまら祭り」(※)である。
(外国人には「歌麿(Utamaro)フェスティバル」、「Iron Penis Festival」という名前で知られているそうだ。)
※かなまら祭りとは…
江戸時代、川崎宿の飯盛女達の願掛けから端を発したこのお祭りは、現在では、
商売繁盛・子孫繁栄(子授け)・安産・縁結び・夫婦和合・下の病除けなどに
ご利益があると伝えられています。
おおらかで、一風変わったお祭りとして国際的にも知られ、毎年訪れる多くの
外国人観光客からは、“歌麿フェスティバル”と称して親しまれています。
(「かなまら祭りの開催案内」ポスターより抜粋、一部編集済み)
…前日に川崎入りしていた私は、朝10時にホテルを出た。
川崎駅前からは、川崎鶴見臨港バスの大師線(川23)で、20分ほどで若宮八幡宮(金山神社)前へ直行することができる。
ここは始発のバス停なので、列に並べば確実に座っていけるのがありがたい。
さて、10時半には現地にたどり着いたのだが、若宮八幡宮(金山神社)の境内はすでに結構な人出で、たいそうにぎわっている。
入場規制が敷かれており、どうやらすぐには八幡宮の境内へ入ることはできないようだ。いったん八幡宮の外囲いをぐるりと回ってから、列に並んで境内へ入れるのを待つことになる。
(二日続けて、行列に並ぶことになるとはなぁ…。まぁ、これだけ人が多ければ、それも致し方ないか)
それでも、前日のいもやとは異なり、列はスイスイと進み、10分ほどで境内の中へ入ることができた。
(うーん、それにしてもスゴい数の人(※)だなぁ。)
※スゴい数の人…その年にもよるが、かなまら祭りの来場者数は、「3万人」~「5万人」になるともいわれている。
↑肉巻きおにぎりを「KANAMARA Stick(かなまら棒)」と呼んで、売っていたり(笑)
↑艶(あで)やかな花魁がプリントされたTシャツや、日本酒が売られていたり…
↑ペ○スがあしらわれた、頭にかぶるサンバイザー?やTシャツが売られていたり…
(サンバイザーは、実際に頭に付けている外国人観光客がかなりの数いた(笑))
↑蛍光色の派手な色の「まらキャンドル」。いったい何に使うのだろう??
↑珍○んボールペンや、エッチの四十八手てぬぐいが売られていたり…
↑色とりどりの子宝飴が、山積みで売られていたりするのであった…。
まだ昼前なのだが、なんというか、色々な意味で、すでにカオスである(笑)
↑子宝飴とさずかり飴を手に、マン足(満足)そうな表情を浮かべる外国人女性がいたり(笑)
ふと周りを見渡すと、外国人の観光客が半分以上、いや7割近くを占めているような気がする。
聞こえてくる言語から推測するに、中国、韓国、ベトナム、東南アジア系、欧米系―、とにかく色々な国・地域出身の人間がこのお祭りを観にやってきているようだ。
このかなまら祭りには、3基の御神輿が登場、巡行する。
↑黒光りして…すごく立派です(爆)な感じの「かなまら舟神輿」、
↑白いヴェールに包まれた(笑)、ピンク色で存在感抜群の「エリザベス神輿」、(一番、周囲に人だかりができていた)
↑そして、3基の神輿の中で最も古いという、「かなまら大神輿」である。
しばらくして、「これより神輿(みこし)御霊(みたま)入れ式が始まります」と場内アナウンスが流れてきた。これらの御神輿に、神主が大麻(おおぬさ)を使って、気を送り込んだりする儀式である。
↑神輿御霊入れ式中の「エリザベス神輿」
↑神輿御霊入れ式中の「かなまら大神輿」
神社の気が籠(こも)った大麻(おおぬさ)(※)により、お祓(はら)いが行なわれる。これにより、神輿の気が大麻の神社の気を取り込み、さらに取り込んだ神社の気の形が整えられるのだという。この御霊入れが終わると、神輿は「祭りの気を取り入れる吸引機」の役割を果たすことになるらしい。
※大麻(おおぬさ)とは…
神道の祭祀において、お祓(はら)いに使われる道具。一般的には、榊(さかき)の枝や、画像のような白木の棒の先に紙垂(しで)がついたものが使われる。
御霊入れ式が終わると、面掛行列が始まるまでの約1時間は、フリータイムとなる。
御神輿のそばに行って、男衆や祭りの関係者と記念撮影をしたり、子宝飴などの買い物を楽しんだり、それぞれが思い思いに時間を過ごすことになる。
↑金山神社の社殿の中。社殿横に窓があり、中を覗くことができる。
↑金山神社境内の「金床」
↑大根削りで彫られた数多くのペ○ス。カリ首まで忠実に再現された、名人芸である(笑)
こんな感じで、自分はこの時間を利用して、社殿でお参りを済ませたり、大根削りの実演を観覧して時間を過ごした。
御朱印帳があれば、金山神社オリジナルのユニークな御朱印をもらうこともできたようだが、こちらは行列がすごくて、すぐには対応してもらえない様子だった。
(巫女さんが、4人ほどの総出で対応しているのだが、あまりの希望者の人数の多さにさばききれない模様。お祭りの開催日以外でも、御朱印はいただけるので、別の日にもらいに来るのが良いかもしれない。)
さて、12時になって、面掛行列の始まりである。
金棒-若宮祭祀舞-道中奉行-川崎古式消防記念会-大麻-塩撒き-猿田彦(天狗)-神官-御神酒(振舞い酒)-総代-来賓-参加者-かなまら講-かなまら舟神輿-エリザベス神輿-かなまら大神輿
の順で、行列は進んでいくようである。
(金山神社(川崎市)-かなまら祭りのwikipediaより抜粋、一部編集済み)
面掛行列は、ごりやく通り~表参道を通ったのち、大師公園緑陰公園まで行って、いったん休憩。その後は、先ほどとは逆の経路で、金山神社まで戻るのだ。
私は近道を使って大師緑陰公園に先回りし、面掛行列を先頭から観ることにした。
↓以下は、公園に入場してくる面掛行列(ダイジェスト版)の画像である。
↑エリザベス神輿特有の掛け声、「か~なまら~、でっかいま~ら~」が周囲にこだまする!
面掛行列の休憩中には、金山神社の神主さんと巫女さんが周辺を歩き回って、祭りの一般参加者から、お賽銭を募(つの)る様子が見られた。
せっかくなので、私も神主さんに1000円札を渡して、巫女さんに身を祓ってもらうことに。
祓ってもらったあとは、「金山神社祭例開運御守」を頂戴したのだが、何かいいことがありそうな気がした。
不思議だが、少しだけ肩が軽くなった気がするのは気のせいだろうか?(笑)
その後、再び面掛行列が始まり、行列がすっかり行ってしまったのを見届けたところで、自分も川崎大師駅前に向かって歩き出したのであった。
昔(江戸時代まで?)は、かなまら祭りの後、町衆が奉納の大根を持ち出しては笑い騒ぎ、歌舞飲食をして一夜を過ごしたという。その際、気を集めた神輿を中心に置いておくことで夜の祭りを元気に過ごしていたのではないか、ということである。
もっとも、今は時代が違うので、夜の祭りはないわけなんですがね(笑)
(お口直しタイム)
お賽銭を納めたときに自分を祓ってくれた巫女さんが、復路の面掛行列の先頭にやってきたので、記念撮影をお願いしたところ、快諾していただいた。
こちらに目線までいただいて、たいへん光栄なのです(嬉)
いやぁ、美しくて、かわいいですよねぇ。いっそ、ケータイの番号も教えてもらえばよかったなぁ(爆)と、後で後悔してみたり(泣)