旅情誘う駅弁シリーズ～②牛肉どまん中弁当・新杵屋（山形県米沢市）
ふと、何もかも忘れて旅に出たいなぁ、と思うことがある。
仕事に行き詰ったとき、両親と言い合いになったとき、精神的に疲れてしまったとき…。
それでも、色々な事情ですぐには旅に出られないとき、決まって行うことがある。
空港のラウンジで離陸していく飛行機を見つめながらの喫茶と、駅弁の購入・食事である。
仕事で米沢に来ていたこともあり、今回訪問したのは大正10年創業と歴史のある「新杵屋」さんである。
米沢の玄関口、ＪＲ米沢駅の真ん前に大きな店舗を構えているのが、こちらの新杵屋さんである。
仕事の用件をすべて済ませてからであったため、今回はお昼過ぎの予約なしでの訪問となったが、すぐその場でお弁当を仕込んでいただき、出来立てのものを提供していただいた。このお弁当のぬくもりが何とも嬉しい。
今すぐにでも食べたいという気持ちを押し殺しながら、自宅までの帰路をウキウキ気分で舞い戻ったのは、もちろん言うまでもない（笑）
さ～て、待ちに待った夕食の時間だ。それではお弁当の御開帳といきますか！ それっ！
おほ～、イイ感じに煮付けられた、牛肉と牛そぼろがたまりませんねえ～(*'ω'*)
では、さっそくいただきます！
まずは、「牛そぼろご飯」の部分に箸を伸ばす。
甘しょっぱく煮込まれた牛そぼろが、山形県産「どまんなか」のご飯とマッチして、これは堪らない…っ！
すかさず、ここで買い置きの缶ビールのプルタブをプシッと開けて、グビグビとビールを勢いよくあおる。
これぞ、至福に次ぐ至福の味である。
「東日本の人間にとって、やっぱ『牛肉』は最高の贅沢、ごちそうだよなぁ」などと、ひとりごちながら、どんどんお弁当を食べ進めていく（笑）
続いて、「牛肉ご飯」の部分をば。
他の駅弁よりも若干底が深く、箸一口あたりの食べ応えがあるのが嬉しい！
特製のタレと調味液で煮込まれた牛肉は、噛みしめるごとにギュッと濃縮された旨みがほとばしる。
つけあわせの小芋煮とにしん昆布巻きは、口の中でねっとりとした独特の歯ごたえがあり、出汁が利いていて、口直しに最適だ。
人参煮と玉子焼きは、ほどよい甘みがあって、これまた美味しい。
最後に、残っている缶ビールをグビグビと飲み込み、あっという間に楽しい食事タイムは終わってしまうのであった。
「ふー、食ったなぁ…。
この間は九十九鶏弁当の『鶏そぼろご飯』を食べたけど、そぼろ単体で見ると、『どまん中弁当』の牛そぼろご飯の方がやっぱり脂が乗っていて美味しいなぁ。
でも、九十九鶏弁当の方は鶏の照り焼きが入っていたから、ボリュームやコストパフォーマンスで言えば九十九鶏弁当の方が個人的には評価が上かなぁ（笑）
いやはや、なかなかに甲乙が付けがたいもんだ。 ごちそうさまでした！」
冷蔵庫から冷えたウーロン茶のペットボトルを取り出し、一服したところで横になり、今週末の安田記念の本命馬を決めるべく、ネットサーフィンを始めるのであった。
本日の「たまにいくならこんなお店」
新杵屋 本社工場直売店
電話番号：0238-22-1311
営業時間：7:00～19:00
（定休日：不定休）
牛そぼろと牛肉煮をたっぷりとのせた牛丼風のお弁当「牛肉どまん中弁当」、その塩味と味噌味バージョン、東北初を謳った、秘伝のたれで味付けした牛肉煮と糸こんにゃく煮を乗せた「牛肉弁当」、秘伝のたれで味付けした黒毛和牛の焼肉をのせたお弁当「栄太郎」など、牛肉をふんだんに使ったお弁当がラインナップの中心である。
山形新幹線の運行時間に合わせて、朝７時から営業しているというのが、いかにも弁当・仕出し屋っぽい。
今回のお弁当は、デパートでの出張販売のほか、「駅弁屋 祭 グランスタ店（ＪＲ東京駅構内）」などでも買えるので、都心部でも目にしたこと、実際に食べたことがある人は多いかもしれない。
