たまには家庭料理的な定食を~あすなろ食堂(山形県山形市)
ここのところ、暑さにやられて、蕎麦とかうどんとか、昼はどうも冷たい麺類ばかり食べてる気がするなぁ…。
まだまだ夏バテを考える季節じゃないけど、夕食にはご飯ものというか、栄養バランスの良い定食類が食べたい気がする。
時間は18時半を過ぎたところである。
うん、今日はあっこの定食屋に久しぶりに行ってみることにするか。
ご飯とおかずをしっかり食べて、何とか調子を取り戻そう。
あっこの店ならば、1000円でお釣りが返ってくるし、予算的にも(・∀・)イイ!!
ということで、さっそく車に乗り込み、東原町へと向かう。
県道16号線を県庁から山形駅方面に向かって走り、山形南高等学校を過ぎて、一本横道に入った住宅街の一角に、今回紹介するそのお店はある。
店の名は「あすなろ食堂」さんという。
店の敷地内には8台分ぐらいの駐車スペースがあるのだが、今日は3台しか車が停まっていない。
この感じならば、カウンター席は空いているかな…と確信して、入店する。
引き戸をガラガラと開けて入店すると、店主の奥さんがいつもの調子で「いらっしゃいませ~!」と声を掛けてくれる。
入り口を入ってすぐ、窓際にある小さな黒板で、本日の「あすなろ定食」のおかずの陣容を確認する。
黒板にはきれいな字で、「マーボーライス、白身魚フライ、ほうれん草の和え物」と書かれてある。
(うん、いいねぇ…。じゃあ、今日は「あすなろ定食」にしますか!)
さっそく、カウンター席に腰掛けて「あすなろ定食をお願いします」と注文する。
すると、「あすなろ、一丁~」と、店主の奥さんが厨房奥にいる店主に注文を通してくれる。
店主も小さくうなずき、「あいよっ!」と言葉を返す。
もう十何年と、この夫婦はこんな感じで会話のキャッチボールを繰り返してきているのだろう。
注文も無事済んで、あとは料理の提供まで待つばかりである。
スマホで今日のプロ野球、セ・パ交流戦の途中経過を確認していると、待望の「あすなろ定食」が出来上がってきた!
「は~い、お待ちどおさま~」
店主の奥さんが、手際よく味噌汁をお椀に注ぎ入れて、カウンターに置いてくれる。
カウンターから、各種お椀と小鉢、マーボーライスの大皿を下ろし、自分の手元に引き寄せて、これで食べる準備は完了である!
おほ~、この大皿の「マーボー豆腐」がまたイイ感じのとろみ具合でたまりませんなァ~(*'ω'*)
では、さっそくいただきます!
まずは、味噌汁に箸を伸ばす。
具にわかめと春雨が入った味噌汁は、丁寧に出汁がとられていて美味しい…っ!
別に自分の母親が作ったわけではないのだが、不思議とおふくろの味を思い起こさせる味だ。
マーボーライスは少々椒(辛味)が足りず、おとなしい味付けだが、豚の挽き肉がふんだんに使われていて、食べ応え(ボリューム)がある。
ほうれん草の和え物には、輪切りになったちくわがたくさん入っており、冷たい出汁ツユがしみこんで、いい箸休めになってくれている。
小皿に盛られたピリ辛モヤシは、つい「生ビール!」と注文したくなってしまう、魔性の小料理だ(笑)
最後に、レタスが小鉢の底に敷き詰められた白身魚フライに手を伸ばす。
サクサクと小気味の良い衣の歯触りと、ホクホクしたスケトウダラの身がマッチして、これまた美味しい!
かくして、マーボーライスを中心にガツガツと食べ進めていくうちに、あっという間にどの皿、小鉢の料理も空っぽになっていくのであった。
「ふー、美味しかった…。マーボーライスは個人的にもう少し辛味があった方が好みだったけど、なかなかボリュームがあって良かったなぁ。 いやはや、ごちそうさまでした!」
冷水器でもう1杯、冷水をコップに注ぎ入れ、一服する。
スマホでスポーツナビのアプリを再び立ち上げると、3回表に日本ハムの中田選手が犠牲フライを、またレアード選手がタイムリーヒットを放って、巨人を逆転したことを告げてくれた。
他球場の途中経過を見終わったところで、自分は席を立った。
「ごちそうさまでした。お会計をお願いします」
「はーい、あすなろ定食で790円になります~。ありがとうございました~!」
店主の奥さんの、やわらかな優しい声に送られながら、私はお店を後にするのであった。
本日の「たまにいくならこんなお店」
あすなろ食堂
電話番号:023-642-4304
営業時間:11:30~13:30 17:00~19:30 (定休日:水曜日)
カウンターが6席ほど、4人掛けの畳座敷席が3卓、4人掛けテーブルが2卓と、客の収容人数はそれほど多くはないが、店主と奥様がテキパキと調理・配膳してくれるので、注文後はそれほど待たされることなく、料理にありつくことができる。
この店の目玉は、やはり何といっても日替わり定食である、「あすなろ定食」(税込790円)だろう。訪問客のほぼ9割方はこの「あすなろ定食」を食べに来ているといっても過言ではない。(とんかつ定食やしょうが焼定食とかも、美味しいんだけどねぇ)
あすなろ定食のおかずの種類の多さ、丁寧に出汁がとられた家庭的な味噌汁など、どれも独身の男性サラリーマンには堪(こた)えられないものがある。
バイトを雇っている気配はなく、いわゆる夫婦経営で人件費のコストカットを図り、お客には安く定食類を還元しているのだろう。
すぐ近所の山形南高等学校や山形大学の学生が使うには、ちょっと値が張るのか、客層はサラリーマンや家族連れが多い印象。
個人的には安くてボリュームのある、家庭料理的な定食を末永く食べさせてほしいと思っているお店である。