日々是精進by馬人おぢさん

アラフォー、競馬をこよなく愛する量産型おっさんの日記です

中毒性のある博多ラーメン「コッテリバリカタ」の思い出~九州とんこつのうま馬(山形県山形市)、長浜ラーメン「博多っ子駅前店」(東京都町田市・閉店)

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アラフォーにもなると、お店の閉店・廃業でもう二度と口にできない「思い出の味」というものが両手では数えきれないぐらいになってくる。悲しいけれど、これも時の流れというやつで仕方がないのかもしれないが…。

 

 

…今回は、今から20年ほど昔の思い出話をしよう。

 

「もう味わえないお店を話題に出されても反応に困るぜ!(怒)」という方もいるかもしれないが、そっとブログを閉じていただくか、あるいは少しだけお付き合いいただければ幸いである。

 

年に数回、飲み会(忘年会or新年会、ほか不定期に開催) や食事会で親交がある、学生時代のバイト仲間(某大学受験専門予備校)の悪友(?)グループが今も健在だ。

 

大学入学年が同じ(同期の)メンバーは10数人。これに自分以外の学年(先輩、後輩)が加わり、全体では30~40人ぐらいの人たちと付き合いがあったと記憶している。

日中(浪人生クラス中心)の時間帯メインの「早番」と、夜間(現役生クラス中心)の時間帯メインの「遅番」と、二つの時間帯シフトに分かれていた(自分は「遅番」だった)。

 

イトメンバーの出身大学・学部は昼間部と夜間部、文系と理系、通っているキャンパスも都内や神奈川県内だったりと千差万別。一種「インカレサークル」のような雰囲気があり、仕事内容も(今思えば)結構楽というか、ゆるいもので妙に居心地がよく、給料はそれほど高くはなかったが、週2回ぐらいのペースでシフトに入っていた。

 

※インカレサークル…インターカレッジサークルの略で、他大学の学生と交流できるサークルのこと。

 

16時半に現場に入り、だいたい22時~22時半頃までには遅番の仕事が終わるわけだが、当時20歳くらいの若者が夕食も摂らずに働くというシチュエーションを考えてみてほしい。仕事が終わると、それまで我慢していた空腹感疲労がドッと湧いてきて、とにかく何か腹に入れたい!―そんな気分にさいなまれるのだ。

 

だから、シフトを一緒に組むメンバーは大概学年がバラバラだったが、お互い仲が良いので、仕事上がりにそのまま晩メシ(兼夜食?)を食いに、お店になだれ込むということもしばしばだった。

(自分は大学2年時から相模原市で一人暮らしをしていたこともあり、自宅ではなく外出先で夕食を済ませることが多かったのも、ひとつの理由だ)

 

バイトの先輩に連れてこられたのをきっかけに、その独特の味・中毒性にはまり、「どう?今日も帰りにバリカタ食ってかない?(=゚ω゚)ノ」が、いつの間にか合言葉に。

 

我々バイト仲間が愛してやまなかった、そのお店というのが、かつて小田急電鉄町田駅の南口にあった「長浜ラーメン店 博多っ子駅前店」である。

 

店内はきわめて狭く、階段を下りた先の半地下(テーブル席4席)と2階(カウンター席6席ほど)がそれぞれ客席になっていて、3階?の厨房と各階を結ぶミニエレベータで出来上がったラーメンが運ばれてくるのが、この店の特徴だった。

 

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↑在りし日の「博多っ子」での食事中のひとコマ。半袖であることや早番・遅番のメンバーがいることから、夏にバイト飲み会の〆に寄ったものと推測される(笑)

 

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↑味付きの煮卵ではなく、普通のゆで卵が入った「玉子ラーメン(たしか700円)」(解像度が悪いのは、当時の携帯(ガラケー)カメラで撮った画像だからです(笑)) 

ブログ主は「もやしラーメン」や豚角煮が入って最初から2玉分の麺が入った豪勢な「長浜ラーメン」が大好きだった。替え玉は100円。卓上にあるすりゴマ、辛子高菜、紅ショウガ、すりおろしにんにく、ラーメンだれを投入することで味変を楽しむことができた。

 

その後、大学を卒業してバイトも辞め、社会人になって関東圏を離れてからも、東京方面に遊びや出張で来る機会があれば、年に1回ぐらいはわざわざ町田の「博多っ子」へ豚骨ラーメンを食べに訪れていたのだが…。

 

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いつかは訪れると危惧していたことが、遂に現実のものとなってしまった…。

理由は定かではない(一説によれば、店主が高齢だったとか?)が、2016年7月に閉店して、その味をもう体験することはできない。(2019年2月現在、同じ場所には「ラーメン暖暮」なる店が営業している)

 

それは「閉店前に一度食べに来いよ」という、お店からの虫の知らせだったのか、閉店のわずか2ヶ月前、2016年5月のゴールデンウィークにかつてのバイト仲間が町田駅前に集(つど)って、皆で博多っ子の豚骨ラーメンを心ゆくまで食べまくった(替え玉しまくり!)のが、最後の「博多っ子」での食事となってしまった(泣)

 

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…にもかかわらず、なぜこんな思い出話をしているのか?

 

それは、ここ山形で、あの「博多っ子」によく似た味の本格的な博多豚骨ラーメンを食べて、その懐かしさと思い出が蘇ってきたからである。

 

今から10数年前、転勤でこの地に赴任してきてまもなくのことだ。

休日になにげなく市内をぶらぶらしていたときに、このお店の前を通りかかったのがきっかけだった。

 

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↑目の前の通りに面した、メニューの看板(2019年2月現在のもの)。

数年前までは博多とんこつ(細麺)が490円、替え玉と半チャーハンが110円だったので、かつて600円で食べられた組合せが、今は650円に値上がりした形になっている。

それでも他のラーメン店と比較したら、低価格でだいぶ頑張っているとは思うんですけどね…。

 

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東北地方で、しかも人口20万そこそこの地方都市、ラーメンの年間消費量、出費額が日本一と言われる県民性とはいえ、昔ながらの鶏ガラ醤油スープのラーメンや蕎麦が好まれているような土地柄で、九州の豚骨ラーメンを前面に出して商売しているお店というのは珍しい。

全然その味には期待していなかったので、(まぁ値段も安いし、美味しくなくても諦めがつくか…)という感じで入店したのだが、いい意味でその期待を裏切られたのが、この店との最初の出会いだった。

 

目の前の厨房にいる店員さんに注文して、麺茹でに1分少々。

丼にスープと麺を入れて具を乗せて、2~3分もすれば、ここのラーメンは出来上がってくる。

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おお、早いなぁ。博多とんこつラーメンってのはウソじゃなさそうだ。

他のラーメン店では、こんなに早く出来上がってくることはそうそうないんだけどな。

 

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では、麺が伸びてしまわないうちに、さっそくいただくとしますか!

いただきます!

 

まずは、スープを一口。

豚骨のエキスがにじみ出た、あの独特のコッテリとした味わいが口いっぱいに拡がる!

うん?!これは美味いぞ! 臭みも感じないし、これなら初めて豚骨ラーメンを口にする人でも、さほど苦手に感じることなく、スンナリと受け入れられるんじゃないかな。

 

次は、麺だ。

今回は麺の固さを「普通」でお願いしたけど、コッテリしたスープが麺に絡んで、いい取り合わせだ。

 

チャーシューはペラペラの薄いのが1枚だけど、値段を考えたらこれでも十分だ。

ともすれば、啜(すす)ってそのまま飲み込むだけになってしまう細麺に対して、キクラゲのコリコリとした歯ごたえがアクセントになっていて、これまたいい味を作りだしている。

 

無我夢中で食べていると、麺はあっという間になくなってしまう。

元から麺は少な目なのだろうが、こうなると店の思惑どおり、替え玉も頼まないわけにはいかないだろう(笑)

 

「すみません。替え玉、カタめで一つお願いします!」

「はーい、少々お待ちください!」

 

店員さんが茹で鍋のデボに麺を投入して、約20秒。

その後、ジャッジャッ!とスゴい勢いで湯切りをして、器に替え玉の麺を入れ、カウンターに置いてくれる。

 

「はい、どうぞ!替え玉、カタです」

「どうもありがとう」

 

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↑湯気がモウモウと立ち上がる、替え玉(130円)

いつも「カタめ→(替え玉)バリカタ」にするか、「普通→(替え玉)カタめ」にするかで悩むんだよなぁ。普通やカタめよりも「バリカタ」の方が、食後に胃の中で胃液を吸って、よりふくらむせいか、腹持ちがよい(ような気がするんだよね)

 

 

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替え玉と卓上の紅ショウガ、辛子高菜を残ったスープに投入し、再び、麺をがっつけば、もう気分は上々!である。

 

…5分後。

まるで丼の底まで舐めるがごとく、スープを最後の一滴まできれいに飲み干して、席を立つ。

 

(そういえば、この豚骨ラーメンの味、どこかで食べた覚えがあるような…?

ああ、そうか。あの豚骨スープの微妙な濃さ(※)が、町田駅前の「博多っ子」を思い出させるんだ!あと、卓上の紅ショウガといい、食べると舌にビリビリくる辛子高菜といい、すごくそっくりだったし。)

 

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※豚骨スープの微妙な濃さ…なんでんかんでんの初期メンバーで調理担当だった、岩佐俊孝氏(現「御天」店主)によれば、「本当に“濃い”豚骨スープは骨髄が溶け出し、白色ではなく赤茶色がかって丼の底に砂状の骨粉が残る」という(↑画像参照)。博多っ子やうま馬では、ここまでの濃さではない。

 

豚骨ラーメン本場の九州でも、ラーメン屋が数多く立ち並ぶ関東でもなく、東北地方の一地方都市で、あの思い出(に近い)味、豚骨ラーメンに出会うなんて、世の中とは分からないもんだなぁ…。

 

…それからもう10数年になるが、あの豚骨ラーメンの味に魅かれて、相も変わらず2週間に一回は、うま馬へ食べに訪れている。

 

「うま馬」も当然美味いことは美味いのだが、他にも美味いラーメン屋があるのにそっちではなく、「うま馬」へフラフラと吸い寄せられるように通ってしまう、あの「中毒性」も「博多っ子」とよく似ている(笑)

 

その間、うま馬は市内(国道7号線沿い)にもう一店舗(「とんこつのひろ うま馬分店」)を開店し、本店はおばちゃん店員だけで運営していたのが、若いアンちゃんも厨房に立つようになって、スタッフの世代交代が上手くいっているようだ(最近は店主高齢のためとか、後継者がいないとかで閉店してしまうお店がホントに多いからねぇ)

 

市内で低価格で美味しい豚骨ラーメンを提供し続ける「うま馬」さんには、今後もその独自路線(豚骨ラーメン)で頑張ってほしいものである。

  

 

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本日の「たまにいくならこんなお店」

  

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九州とんこつの うま馬

住所:山形県山形市深町2-12-14

電話番号:023-646-3622

営業時間: 11:00~14:45 18:00~21:45  (定休日:不定休)

 

豚骨スープの味になじみがない山形人でも食べやすいように、随所に細かい配慮が見られる、丁寧な仕事の豚骨ラーメンにはファンが多いようで、いつ来ても客が絶えることはない。

豚骨ラーメンのお店らしく、少々臭(にお)いがあるのと床が脂でギトギトしたところがあるのはご愛敬(笑)

飛びぬけた美味しさではないのだが、気が付いたら食べに行っちゃってて、日常の自分の食事にいつの間にか組み込まれていた感じになる味。

あ~、ブログ記事書いてたら、また豚骨ラーメンが食べたくなってきちゃったなぁ(笑)