暗闇に浮かんだお店の灯りに吸い込まれるように…~食堂もみいち(山形県山形市)
ふう…、16時にもなるとこんなにも暗くなるものかねぇ…。
今日の分の外回りを無事に終えて、意気揚々と車に乗り込むが、あまりの周囲の暗さにびっくりしてしまった。これでは、車のライトはスモールランプでは用が足りず、ロービームにしないと周囲をはっきりと見渡して運転するのは難しそうな状況である。
…そういえば、冬至だからこの時期は、一年の中でも特に日が短いんだったっけなぁ…。
それはそうと、腹が減ってきたけど、今夜のメシはどこで食べたものかなぁ…?
ここんとこ、昼はしばらくコンビニ弁当が続いていたし、ちょっと家庭的な料理というか、飾り気のない定食屋でガッツリと、きままに大盛りのご飯でも食べたい気分だけれどもなぁ…。
今いるのは嶋地区(山形市北部)だけど、ここから近いところで定食屋となると…。
…うーん、どこのお店がいいものかねぇ…。
頭の中の食事処データベースを手当たり次第に、めまぐるしくたどっていく。
……お、そういえばしばらく行ってなかったけど、あのお店があったぞ!
この時間ならばお店も営業もしていたはずだし、よし行ってみるとするか!
山形市北部、嶋地区から車をさらに北へ走らせること、十数分。
目指すお店は、暗がりの県道22号線沿いに煌々(こうこう)とあかりを灯して、そこにたたずんでいた。
ということで、今回紹介するのは、山形市七浦というところにある「食堂もみいち」さんである。
空調対策のためであろう、二重になった玄関戸を開けて中に入ると、こざっぱりとした食事スペースが展開されている。
さてと…、よっこらしょと。
窓際のテーブル席に腰掛けて、まずは本日のもみいち定食のメイン料理5品の陣容を確認する。
今日は「鶏唐揚げ」「ネギトロ」「ローストチキン」「ナメタガレイの煮付け」「サバの塩焼き」の5つかぁ。カレイの煮付けなんか、渋くていいなぁ。酒さえ飲めれば、ご飯だけでなく、熱燗なんかが欲しくなりそうだ…。
さて、これは悩むなぁ…。
悩むこと数分…。
ちょっと贅沢に食事したい気分だったこともあり、そのネーミングに惹(ひ)かれて、今回は「お魚とお肉(豚ロース)のよくばり御膳」にすることにした。
すいませ〜ん、注文の方お願いします。
奥の厨房にいるスタッフさんに声掛けして無事に注文も終わり、後は料理が出てくるのを待つだけである。
今週は金曜になれば、いよいよ仕事納めということで、残された時間でやるべきことを洗い出し、悶々(もんもん)と考えていること、約10分…。
いよいよ、待望の御膳の到着である。
店員「お待たせしました〜。よくばり御膳のご飯大盛りです〜。ごゆっくりどうぞ」
↑お魚とお肉(豚ロース)のよくばり御膳(1680円(税抜))
うぉ、実際に料理が運ばれてくると、結構量があるもんだなぁ…。
では、さっそく、いただきまーす!
味噌汁を一すすりして、まずは野菜サラダに手をつける。
サラダのお皿はちゃんと冷やしてあり、冷たく美味しくいただけるようになっている心配りがそこはかとなく嬉しい。
次はメインの豚ロースの味噌漬け焼きである。赤、緑、黄、紫、茶と色とりどりの食材が並び、見た目だけでもう美味しい!というのが確信できる一品である。
1cmほどの厚切りにされた豚ロース肉が、味噌漬けにされたことで余計な水分が抜けているのか、濃厚な赤身肉と脂の甘味と味噌の塩っ気が渾然となって美味しさのハーモニーを奏でている。
いやぁ、これは肉一切れだけでも、随分ご飯が進むぞぉ。味が濃くて美味しくてたまらん!
…パクリ、モグモグモグモグモグ、ゴクン!
もう、一度火が着いてしまった食欲は止まらない!
さてさて、こっちの魚料理にも手を出してみるとするかな。これは白身魚の西京焼きに、子持ちの魚、鴨肉のハムだな。
パクリ、ムシャムシャムシャ…、ゴクン!
…うーん、またしても旨いなぁ…。
この身が綺麗にはがれる、西京焼きが実に旨い!
味噌漬け焼きのお肉とはまた全然違った、甘味のある白味噌に浸かった魚の身がまた一際淡白な味わいで美味しい!皮ぎしの脂が乗った部分もまた一味違うしなぁ。
(※筆者は仙台味噌が有名な宮城県仙台市の生まれであり、小さい頃から味噌の味に慣れ親しんできた。だから、味付けに味噌が使われていると、それだけでいくらでもご飯が食べられるように、舌や胃袋が習慣づけられているのだ!笑)
こっちの小鉢のひじき煮も、もずく酢の合わせ酢なんかも自家製なんだろうなぁ。
いい箸休めで、味噌の濃い味つけでだるくなった舌がサッパリと洗い流されて、また次の一口が食べたくなるってんだから、よく考えられてるよなぁ。スゴいよなぁ…
かくして、画像にあった御膳のご飯大盛りと料理の数々は、ものの15分ほどで綺麗サッパリとたいらげられてなくなっていくのであった…笑
最後に残ったこれは、チョコケーキだな。
そうか…。そういえば、ローストチキンがメイン料理にあったけど、よくよく気付けば今日はクリスマスイブなんだったっけなぁ…。
寂しい独り身だからクリスマスを意識せずに、敢えて気付かないフリをしていたんだけどなぁ…苦笑
でも、料理が美味しかったから、許しちゃう!笑
チョコケーキの甘さとほんのちょっぴりのホロ苦さに舌鼓を打ちながら、一人寂しい馬人おぢさんのクリスマスイブの夜は更けていくのであった…(Fin)
追記
この日は家に帰ると、山崎製パンから小包の不在連絡票があり、2019秋のわくわくプレゼント(お菓子詰め合わせ)に当選していたことが判明!
ちょっとだけ寂しさが紛れる、嬉しい夜となりましたとさ…笑
本日の「たまにいくならこんなお店」
食堂もみいち
電話番号:023-684-8494
営業時間: 11:30~14:00 17:30~21:00
(ラストオーダー:20:30、定休日:月曜、第1日曜)
お魚やお肉の漬けダレはお店オリジナルの自家製という、家庭的でありつつも非常に洗練された味わいのお料理が楽しめるお店である。
神奈川県厚木市の名物である「豚肉の味噌漬け」によく似た、豚ロースや鶏モモ肉の味噌漬け焼と、季節の魚を使った西京焼きがメインとなった御膳は少々値が張るものの、自分へのご褒美をあげたいとき、贅沢したいときに食べると、元気が湧いてくること間違いなし!だと思う。
注文こそしなかったが、この時期はクリスマスということもあって、もみいち定食の選べるメイン料理には「ローストチキン」があったし、御膳のデザートにはチョコレートケーキが添えられており、ちょっぴりだが、クリスマス気分を盛り上げるのに一役買っていた(笑)
季節感を大事にしているお店なので、いつ行っても新しい一面を垣間見ることができ、その味わいに飽きることはない。
最後になるが、交通量はわりかし少ないものの、店前の駐車場がやや狭いのが難点なので、ワンボックスカーなどの大型車で来店の際は注意されたし!