気温4度に食べる、絶品冷やし肉そば〜明烏(あけがらす)(山形県東根市)
週末の土曜日。
平日と違い、出勤がないので気楽な朝で良いものだ。
が、この時期だけは冷え込みが厳しく、布団にくるまっていても寒くて自然と目が覚めてしまうのが困りものである。
おまけに、間が悪いことにこの日は灯油の買い置きをすっかり切らしてしまっており、頼みの綱の石油ストーブは使えないときたもんである。
となると、このまま自宅に居たとしても、寒い思いをし続けるだけかぁ…。しょうがない、何かメシを食いがてら、ガソリンスタンドに灯油を買いに行ってくるとするかな…
かくして、朝から家を飛び出してコーヒーショップへと落ち着く馬人おぢさん。
エアコンが効いた暖かい店内でモーニングセットのホットサンドをもくもくと食べながら、この後の予定をぼんやりと考える。
せっかく東根市まで行く(※)んだから、たまにしか行けないお店で昼飯を食べたいよなぁ…。さて、何がいいかなぁ…。
(※)筆者は、給油するときは県内でも一番安いと思われる、山形空港そばのガソリンスタンド(太陽鉱油13号線山形空港SS)を使うことにしており、そのついでに東根市や天童市で食事をして帰るケースが非常に多い。
以前、都内の百貨店で開催された山形物産展に出店してたという蕎麦屋さんに、一度行ってみたいと思っていたし、今日はここにするかな…。
…スマホのGoogleマップアプリで細かい場所を確認し、準備は万端だ。
午前中は他にあった所用などを済ませて、県道120号線(旧羽州街道)をさくらんぼ東根駅方面に向かって車を走らせると、12時過ぎに今回紹介する明烏(あけがらす)さんに到着である。
場所としては、さくらんぼ東根駅と神町駅のちょうど中間地点ぐらい。
店舗が多く、栄えたエリアのさくらんぼ東根駅前からはちょっと距離があるのに、うまく商売できているということは、味には相当自信があるお店なのかも…?と期待に胸を膨らませて、いざ入店である。
寒さ対策であろう二重になった玄関の扉を開くと、地元民とおぼしき客の賑やかな会話がそこかしこから聞こえてくる。
こちらに気がついた女性店員さんに、自分1人である旨を告げ、カウンター席にやおら腰かける。
さて、メニューはっと…。
卓上のメニューを引っ張り出し、パラパラとめくっていく。
ふーむ、蕎麦にうどん、ラーメン、定食類、季節限定品と、蕎麦屋なのに随分と種類が充実しているんだな…。うん、これは非常に自分ごのみのお店だ(笑)
初めての来店だし、ここは無難に蕎麦といってみるとするかな。
店員さんが温かい蕎麦茶を持ってきてくれたタイミングで注文を伝え、あとはおとなしく品物が出てくるのを待つだけだ。
カウンター席からは仕切られたガラスの向こう側に厨房の中が見え、何人ものスタッフが調理と盛り付け、配膳で忙しそうに行き来している。
トイレに行こうと席を立つと、どうやら店内はかなりの奥行きがあり、自分が座ったカウンター席以外に、テーブル席と座敷席がいくつもあるようだった。
そうして新聞・雑誌コーナーに置いてあったスポーツ紙を手に取って席に戻り、数分もすると、注文していた「冷たい肉そば」の大盛りがやってきた!
↑冷たい肉そば(税込800円、大盛りは+150円)
「大盛り」の文字に違(たが)わず、大振りなどんぶりには、溢(あふ)れんばかりになみなみとツユが入っている。
では、さっそくいただきますっ!と…
まずはツユを一すすり…。ズズズっ、ゴクン!
これは鰹の出汁だろうか、まろやかな風味があってやや甘みを感じるツユが何とも言えないくらい、旨い!
さてと、この親鳥の肉が気になってたんだよな。
箸で鶏肉を一掴みして、パクリとほおばる。
うん、親鳥の肉は脂が乗って、グニグニと程よい弾力を持っていて、噛みしめる度にジンワリとその旨味が口中に広がっていく!
蕎麦もコシがあって、プルプルとして、小気味のいい歯ごたえがある。
どちらかといえば、自分はやや硬めの仕上げで腰のある麺が好みなのだが、ここ明烏さんの蕎麦は、麺もツユも親鳥の肉も、全てがドストライク!な味わいなのだ。
いや、これは美味しいぞ!
大盛りにして大正解だった!(*´ω`*)
こうなるとスポーツ紙など読んでる場合ではない。
ズズズッ、ズルズル、モグモグモグモグ、ズズズッ!
一気呵成(いっきかせい)に蕎麦を食べる!とにかく食べる!
ツユの旨味をたっぷりと吸い込みつつも、カリッとした歯ごたえは失っていない、この揚げ玉もいいアクセントだなぁ…
途中で味に変化をつけるために、一味唐辛子を投入したのだが、お隣の天童市で生産されている大正館食品の一味唐辛子が卓上に置いてあるというのが地産地消らしくて、また心にくい演出ではないか。
最後は、セルフサービスの温かいご飯をかきこみ、ズズズッと冷たいツユで、胃に流し込んでいくのだが、このフィナーレに至るまでの時間が愛おしくてたまらない!
そうこうしている間に、あれだけたっぷりとあったツユも完飲し、カラとなったどんぶりとご飯茶碗が卓上に残るだけとなった…。
ふー、ごちそうさまでしたと…。
シメに、温かい蕎麦茶のおかわりをいただきながらボンヤリと厨房の中を覗くと、変わらず忙しそうにスタッフの皆さんが調理と配膳に精を出している姿が目に飛び込んでくる。
美味しい料理がこうして、ここで生み出されていくんだなぁ…などと他愛のないことを考えながら、午後以降の予定を確認する…
…さて、お腹の方もこなれてきたし、そろそろ行くとしますかね…。
席を立ち、お会計を済ませてサービススタンプの押されたカードを受け取り、自分は外へ出た(会計950円だったけど、そこはおまけしてスタンプ2個押してよぉ!と思ったのはナイショだぞっ♬)
風は冷たく外は寒いが、胃も心もたっぷりと満たされた今の自分には、これぐらいへっちゃらだい!と心の中で強がりながら…。
その後、ふらりふらりと天童方面を彷徨(さまよ)う馬人おぢさんの姿があったとか、なかったとか…(次回に続く…かも??)
本日の「たまにいくならこんなお店」
蕎麦処 明烏(あけがらす)
電話番号:0237-47-0378
営業時間: 11:00~14:30 17:00〜19:30
(定休日:不定休、木曜日夜の部、正月三が日)
http://akegarasu.sakura.ne.jp/index.html
果樹王国ひがしね蕎麦街道加盟店(8店舗)のうちの一つ。
2019年6月には日本橋三越で、9月には吉祥寺東急百貨店での山形物産展に山形を代表する蕎麦屋として出店するなど、その美味しさは百貨店のバイヤーが注目するほどの知る人ぞ知る名店である(ただし、値段は庶民的なので、そこはご安心いただきたい!笑)
常連とおぼしき地元民の比率が高いが、仙台からの観光客も多いとか。
山形空港からも非常に近いので、飛行機で遠方から来たレンタカー利用の観光客にオススメする蕎麦屋を聞かれたら、自分はおそらくここを推すだろう。
羽州街道を挟んで向かい側には、同系列の天婦羅(てんぷら)明烏の店舗と駐車場があり、蕎麦処の店舗前駐車場が満車であれば、こちらの駐車場を使うことも可能である。
飲食代500円ごとに1スタンプ押印で、スタンプが10個溜まると500円割引券として使用が可能(有効期限はなしとのこと)なので、長く通いたくなるお店の一つである(笑)