日々是精進by馬人おぢさん

アラフォー、競馬をこよなく愛する量産型おっさんの日記です

思い出の場所~仙台市長町の「長町DX劇場」

長町DX劇場」と聞いて、すぐにピンとくる仙台っ子は少なくとも「アラフォー以上の世代」だろう。
今回はそんな昔、昔の思い出話である。

 

「思い出の場所」といっても、なにか観劇したわけではないし、それどころか劇場の中にすら入ったことはない。

 

ただ、薄暗い新幹線の高架下に存在した、怪しいネオンとオレンジの外張りで店内を隠し、人目を忍ぶように営業している、その一角の光景を今でも忘れることはない。


生まれつき気管支が弱く、風邪をひきやすかった幼少期の自分は、母が運転する車で長町へ行く機会が多かった。たまたま長町には遠い親類が経営する小児科病院があり、かかりつけであるこの病院を訪れるのが常だった。

 

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仙台バイパスを名取方面に向かって走り、鹿ノ又交差点から八本松を経由し、県道273号線で広瀬橋交差点を目指す途中、東北新幹線の高架下を過ぎてすぐの場所。

 

左手をふと見ると、オレンジ色の外張りで、中の様子が窺い知れない小さな劇場が今日も営業している(ようだ)。

 

昼間も夜も店のネオンには電気が灯り、どうやら営業はしているようなのだが、実は人が出入りしているところは一度も見たことがない。子ども心には「正体が分からない不思議な場所」だったと記憶している。


あるとき、長町のヨークベニマルへ家族で買物に来た際に劇場の前を通りかかって、親父殿に聞いたことがある。


「あの長町DX劇場って、中でどんな劇をやっているのかなぁ。ボクも見てみたいなぁ」と。

 

親父殿はしばし絶句したのち、「うーん、今のお前にはまだ早いかな…。」とポツリとしゃべったきり、いっさい黙り込んでしまった。

 

一瞬で、車内には重苦しい雰囲気が流れ―。


何となくその場の空気を察して、それ以上は何も聞かなかったのだが、怖いもの知らずな親父殿がいっさい黙り込んでしまうあたり、どうやら「ヤバそうな場所」ということが新たな情報として私の脳裏に刻まれた。


その後、「長町DX劇場」がどうなったのかは、当面知ることはなかった。
 

小学校6年生の夏休み前に、親父殿の転勤に伴って、仙台を離れてしまったからだ。

 

年に1~2回、お盆の墓参りなどで仙台に帰ってくることはあったが、車で長町を通る機会はそれほど多くなく、あの劇場の前を通ることもほとんどなくなった。

 

長町DX劇場が「ストリップ劇場」であると知ったのは、大学生になって、インターネットを操るようになってからのことだ。

(2001年9月30日に閉館し、建物が取り壊されたと知ったのはだいぶ後になってからである。)

 

その内容は、だいたい以下のとおり。

・観光ビザで来日した外国人女性の踊り子が、本○生板ショーをやっていた。
・入場料(通常3000円?)とは別にお金を払えば(指名料:3000~4000円?)、○番生板ショーまたはショーの後に奥の個室で本○行為(10分間の時間制限、延長可)をすることができた。
仙台市内でお祭りなどの催しものがあると、宮城県警察の取り締まりが厳しくなるので、その度に休業する。
何度となく警察のガサ入れ(摘発)で営業停止に追い込まれるも、しぶとく復活し営業を再開するという筋金入りのストリップ劇場であった。


その昔、地方の温泉街にあるストリップ劇場などでは、警察の目を逃れて、客が本○生板ショーに参加できるところもあったそうだが、まさか長町DX劇場がそうだったとは…と驚いたものである。

 

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なお余談だが、自分が最後にストリップ劇場に行ったのは、26か27のとき。
同じ時期に東京へ研修に来ていた職場の同僚と一緒に、浅草の駒形どぜう本店でどじょう鍋を食べたときに、酔った勢いで「ついでにオトナの社会科見学をしよう!」と浅草ロック座へ行ったのが最後である。

  

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↑画像は、在りし日の仙台ロック

残念ながら国分町にあった仙台ロックは2016年に閉店してしまい、今は仙台市内でストリップを鑑賞することは叶わない。


もんでんあきこ著の「エロスの種子」1巻で、ストリップ劇場を舞台にした作品「マリーゴールド」を読んでいて、なぜかふとそんな昔のことを思い出していた。

 

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※「エロスの種子」1巻、第4話「マリーゴールド」は特に読み応えがあるので、ぜひご一読いただきたい。