「大戸屋イオンモール天童店」の粗相を斬る!
(注意!)この「粗相を斬る」!シリーズは、ふた昔前にネット上でオンラインカジノやネット上での商売などに関する記事を書いておられた「代々木健介のギャンブル必勝法実験室」にあった、コラム「粗相を斬る!」のオマージュです。ヨヨケンさんよ、永遠なれ!
このブログをよくご覧いただいている方々にはすでに周知のことかもしれないが、カテゴリーを見ていただくと「グルメ」ネタで書かれた記事が圧倒的に多い。
そう大して高いものは食べていないはず(本当にそうか?(笑))だが、食への関心というか、欲求については貪欲(どんよく)でいると自覚しているつもりだ(笑)
今回は、とある外食チェーンの一店舗の有り様に対してどうしても我慢ならなかったため、敢えて名指しして、容赦なくその粗相を斬ることにした。
ブログ主は90年代後半~00年代前半の学生時代(青春時代)を、東京・神奈川で過ごしてきた人間だ。
幸いなことに、当時奨学金を借りることもなく、親からは十分すぎる仕送りをいただき、自分で稼いだバイト代(平均して月3~4万程度)はほぼ自由に使えるという、経済的にはかなり恵まれた状況で生活していた。
大学(都心)まで電車で片道1時間半ほどの通学をしていたので、二部(夜間部)で教職課程の講義を受けたときなど、夜遅い帰宅になったときなどは外食する機会も多々あったが、けっして過分な贅沢はせず、新聞広告やチラシで少しでも食料品や生活用品が安いスーパーを見つけては、何キロもの道のりを自転車で往復して買物をして、自炊する日も送っていたものだ。
(当時、バイト仲間の中で一人暮らしをしていた人間は自分だけで、冬場になると何人かで8畳ほどのワンルームアパートに集まり、「鍋会」と称した食事会を開いては大騒ぎをしていたことを思い出す(笑))
で、当時外食で特にお世話になったお店というのが、去年3月に多くの人に惜しまれつつ閉店した「いもや(とんかつ・天丼)」と「長浜ラーメン 博多っ子駅前店」、「ごはん処大戸屋」である。
「いもや(とんかつ・天丼)」
dreamonturf.hateblo.jp
dreamonturf.hateblo.jp
今でも変わっていない点はあるが、00年代前半の大戸屋は、非常に家庭的な料理や小皿を出してくれること、魚料理・野菜が多い定食類をメニューに多く揃えていること、店内でしっかり調理して出来立ての料理を提供してくれること、なおかつ1,000円で数百円のお釣り(ファストフード店・喫茶店でのコーヒー代)が返ってくるぐらい何といっても“安い”(文字通り、お値打ち価格)ことで、自分のような一人暮らしで栄養バランス・食生活が乱れがちな、それほど裕福ではない若者の胃袋をガッチリと掴んで離さなかった(笑)
だから、600円台から何種類かの定食を選んで食べられることがすごく嬉しかったのを今でもよく覚えている。
その後(00年代後半以降~)、たまに店舗の海外進出や創業家一族と新経営陣による内紛騒ぎがあったことなどを経済ニュースや新聞で目にすることはあったものの、地方への就職で大戸屋が生活圏内には全くない生活が長く続いてきた。
(隣県の仙台市(仙台駅前)へ行けば店舗が結構あることはもちろん知ってはいたが、外食についてはとにかく幅広い選択肢があるので、大戸屋をわざわざ選択することはほとんどなかったと言っていい)
↑LINEクーポン(大戸屋)の実物画像
で、先日LINEを何気なく見ていたら「LINEクーポン」なるものが送られてきていて、たまたまその中に大戸屋によるクーポンも混じっているのを見つけたのだった。
大戸屋って、昔からこーゆー「無料クーポン」とかのサービスは絶対にやらないものだと思っていたものだけど…。こうまでして客を捕まえようとしているところを見ると、随分と経営状況は追い詰められているのかねぇ?( ̄∀ ̄)
気になった自分は、超久々(数年ぶり?)に大戸屋へ行ってみることにした。
ネットで調べてみると、天童のイオンモールフロア内に県内唯一の店舗があることが分かったので、ちょっとドライブがてら夕食をそこで摂ることにしたのだった。
↑閉店間際に撮ったものなので、お客は写っておりません。
一人客同士が相席になるような格好の中央テーブルのほか、それをグルリと取り囲むように4人掛けのテーブルが設置されている。
時間は、休日の20時過ぎ。
昔よく利用していた店舗は「事前精算制」で、先にレジで食券を買ってからテーブルに着いていた記憶があったので、来店時にレジ前で待っていたものの、フロアに店員はおらず、入り口前には“客にどうすればよいか”といった案内の掲示も見当たらず、やきもきさせられる。
ようやくこちらの来店に気が付いて、厨房エリアから男性店員が出てくるが、「お好きな席にどうぞ…」とボソボソとしゃべるだけで、どこか頼りない雰囲気だ(;´・ω・)
周りに他の客がいないテーブル席に座り、メニューを見渡すと、定食類の価格がどれも思っていた以上に高い(概ね900円~1000円オーバーで、なんと1600円するものもある!)ことに驚かされる。(あれ、俺の思っていた大戸屋と何か違うぞ??)
ここで一番ガッカリさせられたのは、久しぶりに食べたいなと思っていた、大戸屋の名前を冠した、看板メニューであるはずの「大戸屋ランチ」がメニューのどこにも載っていなかったことだ!(後で調べたら、販売のない店舗だったことが判明…)
学生だった当時、一番食べたのが「大戸屋ランチ」であり、ごくたまーにデザートのアイスクリームなどをここに追加して食べるのがささやかな贅沢で、今回も楽しみにしてたんだがなぁ…(;´・ω・)
…気を取り直して、「塩葱だれの炭火焼きチキン定食(890円税込)」とクーポンサービスの「ほうれん草のおひたし」を注文し、周りの様子をうかがう。
客の入りは座席の3割といったところか。ざっと見渡したところ、20代女性の一人客や50代の夫婦などがメイン客で、子ども連れの若年層ファミリーは全くいない(そりゃあ、こんだけ高い定食をそうそう食べには来ないよなぁ…)
10分ほど経ったところで、注文した定食が届く。
しかし、お盆が届いて、さて食べよう!と思った矢先に、店員から
「ラストオーダーのお時間となりますが、何か追加でご注文はございますか?」と間の抜けた問いかけが飛んでくる…。
「いや、ありませんけど…(注文したいものがあれば、さっきの段階で全部注文してたと思うんだけど…)」
「そうですか…(店員退散)」
(せめて、「失礼しました」とか「ごゆっくりどうぞ」ぐらい、言えないものかねぇ…。どういう店員教育をしているんだ、この店は??(;´・ω・) )
ふうぅ、何だか疲れたけど。さて、じゃあ久々に大戸屋の定食をいただくとしますかねぇ。いただきます!
ところが、卓上の箸箱を開けると、中には箸が3本しか入っていなかった(苦笑)
(自分一人だったからまだいいものの、日頃からちゃんとチェックと補充ぐらいしておけよなぁ…。そんなに日中忙しくしているというのか…、この店は?(;´・ω・) )
気を取り直して、さっそく鶏の炭火焼きに箸を伸ばし、勢いよくかぶりつくのだが、かつて大戸屋で感じたような感動というか、美味しさがそこにはない。
焼き目はしっかりついているが、炭火焼きという割には全然中が温まっていないのだ。
味噌汁も、どことなく気の抜けた感じというか、ぬるさが目立つ。
「大盛り」で注文したはずのご飯も、他の店でいうところの「普通盛り」程度しか盛られていないし…。おかずとの量のバランスが悪い気がする。
いくら無料のほうれん草おひたしが付くといっても、これで900円も取られるならば、いつものABC食堂に行った方がよっぽど満足できたナァ(;´・ω・)
入店してからずっとイライラや不満を感じていたせいか、出された料理についてもどうしてもその粗さが気になり、全然プラスの評価がつけられないのだ。
黙々と定食を食べ終わり、最後に一服しようとテーブル上の冷水のピッチャーを手に取ると、底に1cm程度のほんのちょっぴりしか水が入っていないのには、もはや怒りを通り越して、苦笑いするしかなかった(苦笑)
(容器は透明で中身の状態が見て分かるので、気の利く店員であれば、注文取りや食事を持ってきたときなどにすぐ気がついて、ピッチャーを交換するなどしてくれるはず)
そして、帰りがけに、ふと見た隣のテーブル席の下には先客が落としたか、捨てたかしたのであろう紙ナプキン(おしぼりだったかも?)がそのままになっていて、店員の目が行き届いてないのが丸分かりであった…。
最後にレジで会計を済ませたときも、店員の挨拶には全然明るさや元気が感じられなかったし、お客を精いっぱいもてなそうという、かつての大戸屋には感じられた気概のようなものが、少なくともこの店舗では全然感じ取れなかった。
…いつから、大戸屋はこんなに“おごりたかぶった”、形ばかりの「高級定食屋」になってしまったのだろうか…?
20年近く前は、その味で食事の楽しさや喜びを提供してくれた、あの定食屋はもう帰ってこないのだろうか…。
そんな悲しい気持ちで、自分は店を後にするしかありませんでした。
久々に店舗を訪れましたが、残念ながら創業当時の「全品50円均一」、大戸屋の原点・想い「かぁさん額」や社長の挨拶に込められたという「お値打ち価格」の精神やお客を暖かくもてなす心などをどこかに置き忘れてきてしまっている気がしてなりませんねぇ。亡くなった創業者やその社是が泣いてるぜ…?(`・ω・´)
他の店舗はいざ知らず、お客を置いてけぼり、ないがしろにしているイオンモール天童店の現状を見るに、ネットで見つけた「(大戸屋の)深刻な客数減止まらず、赤字拡大」ってのは、当然というか自業自得だと思いますよ?(笑)
昼下がりのお値打ちよくばりランチプレート~カフェレストランKOTOBUKI(山形県山形市)
ある晴れた、平日の昼下がり。
今日も今日とて、びんぼーサラリーマンの馬人おぢさんは、市内を何件か営業回りして、すっかりお腹を空かせていたのであった。
ああ…、今日は客に値引きや納期のことで無理難題を押し付けられて、まいっちまったなぁ。時間はもう14時か…。そりゃあ、お腹もペコちゃん(不二家の某キャラクタとペチャンコを上手く掛けたつもり)だよなぁ。
こんな日は美味い物でもガッツリと食べて、憂さ晴らしをするに限るんだが…。さて、この辺にめぼしいお店はあったっけかなぁ?
ここ山形市吉原、若宮周辺は住宅地であり、飲食店となると、チェーン店の「ラーメン花月」やイオンモール山形南店の中にあるフードコートあたりしか思いつかない。
どうするか?もう少し車を走らせて、国道286号線沿いを目指すか…?
…などと思っていた矢先に、ふと、ある同僚から教えてもらった一軒のカフェレストランのことを思い出したのである。
たしか、第十中(※)のグラウンド側にある「コトブキ」とかいうお店が盛りが良くて、何種類かの料理がプレートに乗って出てきて、それがなかなかに美味しいって話だったっけな。
※第十中…山形市には、学校区域によって「第一」~「第十」まで中学校がある。
面倒くさいので、このように省略した形で呼ばれることが多い。
もちろん、数字だけではなく、「地名+中学校」による名称の中学校も存在するので、悪しからず。
閑静な住宅街を進むと、それらしきお店が見えてきた。
あ、きっとここだな。最近、外装を変えたらしいという話だけど、黄色い壁が目立つナァ。
店裏の駐車場に車を停めて、店の門前へ。
「和」の響きの言葉、「KOTOBUKI(コトブキ)」からはおよそ想像しにくいカフェレストランだが、物は試しだ…!と思い切って、入り口の扉を開ける。
入り口は二重になっていて、一つ目の扉を開けると、「本日のランチメニュー(A、Bランチの二種類)」と書かれた大きな黒板が目に飛び込んでくる。
×印が書かれているところを見るに、Bランチは今日はもう売り切れたのかな?
唐揚げと魚フライの気分ではなかったから、Aランチにするんだけどさ(笑)
気を取り直して二つ目の扉を開けると、東南アジアのような、南国の海のような、「KOTOBUKI(コトブキ)」という言葉とはおよそイメージの合わないオシャレな雰囲気の店内が暖かく出迎えてくれる。
先客1組(有閑マダムとおぼしき、おばさま方)が奥のテーブル席で大盛り上がりしているが、14時過ぎということもあってか、他にはお客はいない。
こちらに気がついた女性店員にうながされて、隅のテーブル席に腰掛ける。
「あ、じゃあ、黒板にあった『Aランチ』をお願いします。飲み物はホットコーヒーで」
「かしこまりました。少々お待ちください」
改めて、店内を見渡してみる。
ロールカーテンから半分差し込んだ陽の光がやわらかく、何とも落ち着いた(・∀・)イイ!!雰囲気を醸し出している。
傍(かたわ)らにあったメニューをパラパラとめくると、チーズハンバーグスパゲッティやポークカツレツ、オムライスなどのまた何とも魅力的な洋食メニューの写真が美味しそうに躍(おど)っているではないか。
これは、また夕食時にもこの店に食べに来ないといけないなぁ。
ああ、飯食ったらこのまま眠ってしまいたいなぁ…と、ウトウトしそうになっているところに、絶妙なタイミングで料理が届く。
「お待ちどおさまでした。Aランチです。コーヒーはまた後ほどお持ちしますね」
「どうもありがとう」
さて、待ちに待った昼メシだ!存分にいただくとしよう!
最初にかぶりついたのは、ハンバーグピラフだ。
自家製と思われるハンバークを一口大に切り分けて、ピラフと一緒にスプーンですくって、口の中へ。
トマトベースのデミグラスソースだろうか。ほのかな酸っぱみとコクのあるソースと、それを受け止めるピラフが、混然となって美味しい。
洋風ピラフのはずなんだが、ピラフに入った山菜(ワラビとネマガリタケ)(※、笹の若芽で東北地方ではよく食べられる)が和風らしさを醸し出しているのが、面白い。
※ネマガリタケ(ヒメタケ)…
姫竹や根曲がり竹と呼ばれているものはいずれも同じチシマザサ(千島笹)の若竹の事です。信越から東北にかけては「根曲がり竹」と呼ばれることが多く、山陰地方などでは「姫竹(ひめたけ)」又は「姫筍(ひめたけのこ)」などと呼ばれています。その他、山形県の月山周辺でよく採れる事から、この地方では「月山竹」又は「月山筍」と呼ばれています。古くから各地で山菜として親しまれてきました。
信越や東北は雪が多く、チシマザサの若芽が地上に芽を出し始めは雪の重みで根元が曲がっているものが多いことから根曲がり竹と呼ばれるようになったと言われています。(「旬の食材百科」よりコピー、抜粋)
根曲がり竹(ネマガリタケ)/姫竹(ヒメタケ)/チシマザサ(千島笹)<筍の種類:旬の野菜百科
お次は、サーモンとキノコのクリームスパゲッティだ。
サーモンはそれほど塩っ気が強くなく、クリーム仕立てのソースも脂がしつこくなくて、コッテリした感じの見た目よりもずっと食べやすい。これがまたスルスルと胃の中におさまっていくから、不思議だ。
サラダも、ラー油をドレッシングのベースに使っているのか、ピリ辛感があって、独特の味わいがある。今まで体験したことのないドレッシングの風味に驚かされる。
スープはコンソメ味のオーソドックスなもので、カップの底に沈んだ野菜(大根かな?)といただくと、ホッとする味わいである。
うーん、どの料理も美味しいネェ。
パッと見、レディース向けなのか、一皿一皿の量はやや抑えめな感じがしたけど、先月のインフルエンザでガクンと食欲も体重も落ちた、今の自分の身体にはちょうどいい分量なのかな(苦笑)
山形で「洋食」と言えば「ろかーれ」や「自由軒」ばかりに目が行っていたけど、こんな感じのランチプレートが楽しめるお店というのもなかなかいいもんだなぁ。
こちらの食後の頃を見計らって、タイミングよく出されるホットコーヒーが、また胃袋に染みわたる。
このホットコーヒーだけでも、喫茶店で飲もうと思ったら、400円は軽く取られるんだろうなぁ。そう考えると、Aランチの840円(税込)は破格の値段のような気がしてくるぞ。
…食事は終えたものの、まだ店内でゆっくりくつろぎたいという名残惜しい気持ちを我慢して、ホットコーヒーをグッと飲み干し、眠気覚ましに軽〜くノビをする。
いやぁ、美味しかった!また近くに来たら、このお店で食事しようっと!
さぁて、そろそろ仕事に戻るとするかぁ…。
会計を済ませて壁に掛かった時計を見上げると、もう15時近くになっていた。
いけね、課の会議に遅れちまう!急がないと!
バタバタと車に乗り込み、一路、仕事場へと舞い戻る馬車馬、もとい馬人おぢさんであった。(終)
本日の「たまにいくならこんなお店」
カフェレストランKOTOBUKI
電話番号:023-646-5211
営業時間: 11:00~15:00 18:00~21:00
(定休日:第3水曜日、ほか不定休)
ランチ(700~800円台)や他の一品料理(900~1400円)の大部分が1000円程度で楽しめて、かつ料理のボリュームもあるということで、ひそかにその存在がジワジワと知れ渡り、ファンが増えているとか。
今回のランチプレートは全体の量が抑えめに感じられたが、他の来店者による注文した料理の画像をネットなどで見る限り、やはり量は多めなのだろう(次回、別の機会に確認してみたいと思います)。
ブログ主は特に「オムライス」には目がないので、今後はオムライスが食べられる洋食店として重宝することになりそうである(笑)( *´艸`)
中毒性のある博多ラーメン「コッテリバリカタ」の思い出~九州とんこつのうま馬(山形県山形市)、長浜ラーメン「博多っ子駅前店」(東京都町田市・閉店)
アラフォーにもなると、お店の閉店・廃業でもう二度と口にできない「思い出の味」というものが両手では数えきれないぐらいになってくる。悲しいけれど、これも時の流れというやつで仕方がないのかもしれないが…。
…今回は、今から20年ほど昔の思い出話をしよう。
「もう味わえないお店を話題に出されても反応に困るぜ!(怒)」という方もいるかもしれないが、そっとブログを閉じていただくか、あるいは少しだけお付き合いいただければ幸いである。
年に数回、飲み会(忘年会or新年会、ほか不定期に開催) や食事会で親交がある、学生時代のバイト仲間(某大学受験専門予備校)の悪友(?)グループが今も健在だ。
大学入学年が同じ(同期の)メンバーは10数人。これに自分以外の学年(先輩、後輩)が加わり、全体では30~40人ぐらいの人たちと付き合いがあったと記憶している。
日中(浪人生クラス中心)の時間帯メインの「早番」と、夜間(現役生クラス中心)の時間帯メインの「遅番」と、二つの時間帯シフトに分かれていた(自分は「遅番」だった)。
バイトメンバーの出身大学・学部は昼間部と夜間部、文系と理系、通っているキャンパスも都内や神奈川県内だったりと千差万別。一種「インカレサークル」のような雰囲気があり、仕事内容も(今思えば)結構楽というか、ゆるいもので妙に居心地がよく、給料はそれほど高くはなかったが、週2回ぐらいのペースでシフトに入っていた。
※インカレサークル…インターカレッジサークルの略で、他大学の学生と交流できるサークルのこと。
16時半に現場に入り、だいたい22時~22時半頃までには遅番の仕事が終わるわけだが、当時20歳くらいの若者が夕食も摂らずに働くというシチュエーションを考えてみてほしい。仕事が終わると、それまで我慢していた空腹感と疲労感がドッと湧いてきて、とにかく何か腹に入れたい!―そんな気分にさいなまれるのだ。
だから、シフトを一緒に組むメンバーは大概学年がバラバラだったが、お互い仲が良いので、仕事上がりにそのまま晩メシ(兼夜食?)を食いに、お店になだれ込むということもしばしばだった。
(自分は大学2年時から相模原市で一人暮らしをしていたこともあり、自宅ではなく外出先で夕食を済ませることが多かったのも、ひとつの理由だ)
バイトの先輩に連れてこられたのをきっかけに、その独特の味・中毒性にはまり、「どう?今日も帰りにバリカタ食ってかない?(=゚ω゚)ノ」が、いつの間にか合言葉に。
我々バイト仲間が愛してやまなかった、そのお店というのが、かつて小田急電鉄町田駅の南口にあった「長浜ラーメン店 博多っ子駅前店」である。
店内はきわめて狭く、階段を下りた先の半地下(テーブル席4席)と2階(カウンター席6席ほど)がそれぞれ客席になっていて、3階?の厨房と各階を結ぶミニエレベータで出来上がったラーメンが運ばれてくるのが、この店の特徴だった。
↑在りし日の「博多っ子」での食事中のひとコマ。半袖であることや早番・遅番のメンバーがいることから、夏にバイト飲み会の〆に寄ったものと推測される(笑)
↑味付きの煮卵ではなく、普通のゆで卵が入った「玉子ラーメン(たしか700円)」(解像度が悪いのは、当時の携帯(ガラケー)カメラで撮った画像だからです(笑))
ブログ主は「もやしラーメン」や豚角煮が入って最初から2玉分の麺が入った豪勢な「長浜ラーメン」が大好きだった。替え玉は100円。卓上にあるすりゴマ、辛子高菜、紅ショウガ、すりおろしにんにく、ラーメンだれを投入することで味変を楽しむことができた。
その後、大学を卒業してバイトも辞め、社会人になって関東圏を離れてからも、東京方面に遊びや出張で来る機会があれば、年に1回ぐらいはわざわざ町田の「博多っ子」へ豚骨ラーメンを食べに訪れていたのだが…。
いつかは訪れると危惧していたことが、遂に現実のものとなってしまった…。
理由は定かではない(一説によれば、店主が高齢だったとか?)が、2016年7月に閉店して、その味をもう体験することはできない。(2019年2月現在、同じ場所には「ラーメン暖暮」なる店が営業している)
それは「閉店前に一度食べに来いよ」という、お店からの虫の知らせだったのか、閉店のわずか2ヶ月前、2016年5月のゴールデンウィークにかつてのバイト仲間が町田駅前に集(つど)って、皆で博多っ子の豚骨ラーメンを心ゆくまで食べまくった(替え玉しまくり!)のが、最後の「博多っ子」での食事となってしまった(泣)
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…にもかかわらず、なぜこんな思い出話をしているのか?
それは、ここ山形で、あの「博多っ子」によく似た味の本格的な博多豚骨ラーメンを食べて、その懐かしさと思い出が蘇ってきたからである。
今から10数年前、転勤でこの地に赴任してきてまもなくのことだ。
休日になにげなく市内をぶらぶらしていたときに、このお店の前を通りかかったのがきっかけだった。
↑目の前の通りに面した、メニューの看板(2019年2月現在のもの)。
数年前までは博多とんこつ(細麺)が490円、替え玉と半チャーハンが110円だったので、かつて600円で食べられた組合せが、今は650円に値上がりした形になっている。
それでも他のラーメン店と比較したら、低価格でだいぶ頑張っているとは思うんですけどね…。
東北地方で、しかも人口20万そこそこの地方都市、ラーメンの年間消費量、出費額が日本一と言われる県民性とはいえ、昔ながらの鶏ガラ醤油スープのラーメンや蕎麦が好まれているような土地柄で、九州の豚骨ラーメンを前面に出して商売しているお店というのは珍しい。
全然その味には期待していなかったので、(まぁ値段も安いし、美味しくなくても諦めがつくか…)という感じで入店したのだが、いい意味でその期待を裏切られたのが、この店との最初の出会いだった。
目の前の厨房にいる店員さんに注文して、麺茹でに1分少々。
丼にスープと麺を入れて具を乗せて、2~3分もすれば、ここのラーメンは出来上がってくる。
おお、早いなぁ。博多とんこつラーメンってのはウソじゃなさそうだ。
他のラーメン店では、こんなに早く出来上がってくることはそうそうないんだけどな。
では、麺が伸びてしまわないうちに、さっそくいただくとしますか!
いただきます!
まずは、スープを一口。
豚骨のエキスがにじみ出た、あの独特のコッテリとした味わいが口いっぱいに拡がる!
うん?!これは美味いぞ! 臭みも感じないし、これなら初めて豚骨ラーメンを口にする人でも、さほど苦手に感じることなく、スンナリと受け入れられるんじゃないかな。
次は、麺だ。
今回は麺の固さを「普通」でお願いしたけど、コッテリしたスープが麺に絡んで、いい取り合わせだ。
チャーシューはペラペラの薄いのが1枚だけど、値段を考えたらこれでも十分だ。
ともすれば、啜(すす)ってそのまま飲み込むだけになってしまう細麺に対して、キクラゲのコリコリとした歯ごたえがアクセントになっていて、これまたいい味を作りだしている。
無我夢中で食べていると、麺はあっという間になくなってしまう。
元から麺は少な目なのだろうが、こうなると店の思惑どおり、替え玉も頼まないわけにはいかないだろう(笑)
「すみません。替え玉、カタめで一つお願いします!」
「はーい、少々お待ちください!」
店員さんが茹で鍋のデボに麺を投入して、約20秒。
その後、ジャッジャッ!とスゴい勢いで湯切りをして、器に替え玉の麺を入れ、カウンターに置いてくれる。
「はい、どうぞ!替え玉、カタです」
「どうもありがとう」
↑湯気がモウモウと立ち上がる、替え玉(130円)
いつも「カタめ→(替え玉)バリカタ」にするか、「普通→(替え玉)カタめ」にするかで悩むんだよなぁ。普通やカタめよりも「バリカタ」の方が、食後に胃の中で胃液を吸って、よりふくらむせいか、腹持ちがよい(ような気がするんだよね)
替え玉と卓上の紅ショウガ、辛子高菜を残ったスープに投入し、再び、麺をがっつけば、もう気分は上々!である。
…5分後。
まるで丼の底まで舐めるがごとく、スープを最後の一滴まできれいに飲み干して、席を立つ。
(そういえば、この豚骨ラーメンの味、どこかで食べた覚えがあるような…?
ああ、そうか。あの豚骨スープの微妙な濃さ(※)が、町田駅前の「博多っ子」を思い出させるんだ!あと、卓上の紅ショウガといい、食べると舌にビリビリくる辛子高菜といい、すごくそっくりだったし。)
※豚骨スープの微妙な濃さ…なんでんかんでんの初期メンバーで調理担当だった、岩佐俊孝氏(現「御天」店主)によれば、「本当に“濃い”豚骨スープは骨髄が溶け出し、白色ではなく赤茶色がかって、丼の底に砂状の骨粉が残る」という(↑画像参照)。博多っ子やうま馬では、ここまでの濃さではない。
豚骨ラーメン本場の九州でも、ラーメン屋が数多く立ち並ぶ関東でもなく、東北地方の一地方都市で、あの思い出(に近い)味、豚骨ラーメンに出会うなんて、世の中とは分からないもんだなぁ…。
…それからもう10数年になるが、あの豚骨ラーメンの味に魅かれて、相も変わらず2週間に一回は、うま馬へ食べに訪れている。
「うま馬」も当然美味いことは美味いのだが、他にも美味いラーメン屋があるのにそっちではなく、「うま馬」へフラフラと吸い寄せられるように通ってしまう、あの「中毒性」も「博多っ子」とよく似ている(笑)
その間、うま馬は市内(国道7号線沿い)にもう一店舗(「とんこつのひろ うま馬分店」)を開店し、本店はおばちゃん店員だけで運営していたのが、若いアンちゃんも厨房に立つようになって、スタッフの世代交代が上手くいっているようだ(最近は店主高齢のためとか、後継者がいないとかで閉店してしまうお店がホントに多いからねぇ)
市内で低価格で美味しい豚骨ラーメンを提供し続ける「うま馬」さんには、今後もその独自路線(豚骨ラーメン)で頑張ってほしいものである。
本日の「たまにいくならこんなお店」
九州とんこつの うま馬
電話番号:023-646-3622
営業時間: 11:00~14:45 18:00~21:45 (定休日:不定休)
豚骨スープの味になじみがない山形人でも食べやすいように、随所に細かい配慮が見られる、丁寧な仕事の豚骨ラーメンにはファンが多いようで、いつ来ても客が絶えることはない。
豚骨ラーメンのお店らしく、少々臭(にお)いがあるのと床が脂でギトギトしたところがあるのはご愛敬(笑)
飛びぬけた美味しさではないのだが、気が付いたら食べに行っちゃってて、日常の自分の食事にいつの間にか組み込まれていた感じになる味。
あ~、ブログ記事書いてたら、また豚骨ラーメンが食べたくなってきちゃったなぁ(笑)
トロ~リとろける、絶品グラタン風トーストセット~パン&カフェの「ボーションドブレ」(山形県山形市)
日ごろ田舎町に住んでいると、外で朝食を食べようと思ったときに、実はそれほど選択肢がないという現実に否が応でも直面する。
牛丼チェーン店(吉野家、松屋、すき家、なか卯)、ファストフード店(マクドナルド、モスバーガー、ロッテリア、ドムドムバーガー)、喫茶店(コメダ珈琲、ドトール、スターバックス、個人経営店)etc…。
持ち回りであちこち利用すれば、選択肢はそこそこあるように思えるが、メニューのお得度(価格と内容のバランス)や立地(駅前の店舗で、無料駐車場がないなど)の関係で、実は最初から利用する気にもならないお店というのが、結構ある。
う~ん、朝食を食べる店もそろそろ固定化して飽きてきたし、新しいお店の開拓でもしてみるとするかなぁ…。
先日、とあるお店で食事をしているときに、店のラック(棚)にあったタウン情報誌を読んでいて、カフェの特集を目にする機会があり、気になるお店をいくつかピックアップしていたのだ。
よし、今日は時間があるし、せっかくの機会だ。新しいお店へ一丁行ってみるとするか!
ということで、向かったのは山形市松栄である。
市中心部から西に向かって、産業団地(アルカディアソフトパーク山形)の少し手前に、目指すお店がある。
↑舗装されていない砂利の路面の片隅に、小さくコーヒーカップが描かれたシンプルな看板が立っている。
↑一見しただけではどこにでもあるような、ただの建物であり、とてもパン屋兼カフェとは思えないが、ここが「ボーションドブレ」さんである。
(よーく見ると、入り口の扉に「OPEN」と表示板が掛けられているのが、遠目に分かる。)
↑1階がパン屋と厨房のスペースになっていて、焼き立て・出来立てのパンやサンドイッチなどを購入することができる。建物や駐車場同様、飾り気や派手さのない内装だが、自分のような洒落っ気のないオッサンの客でも気後れせずに入りやすいようになっているのはありがたい(笑)
↑平日限定で、モーニング(~11:00)とランチ(11:00~15:30)を注文することができる。1階のレジで注文・会計を済ませたら、階段で2階に上がり、好きな座席で商品の出来上がりを待とう。
…この日は既に時計が11時を回っていたので、「グラタン風トーストセット(900円(税抜))」を注文することに。
セットの飲み物は、マンゴージュースにも魅かれるものがあったが、今回は無難にホットコーヒー(トアルコトラジャ)を選択した。
…席について待つこと10分ほど。
女性店員さんの「お待たせしましたー!」という声とともに、待望のグラタン風トーストセットが到着である。
おぉ、こいつぁ美味そうだ。では、美味しそうなトーストが冷めてしまわないうちに。いただきます!
まずは、トーストの上にかかったグラタン風チーズがこぼれおちないように、うまく持ち上げながら、一思いにかぶりつく!
コクのある塩っ気が利いたトロリとした食感のチーズグラタンの味と、サクサクと香ばしいトーストが持つ甘みのコントラストが非常に(・∀・)イイ!!具合だ。
サラダのレタスには、オリーブオイルと…、これはローズソルトなどの岩塩だろうか?
普通の食卓塩とは違う、マイルドな風合いの塩がふりかけられていて、ちょっと贅沢な味わいになっている。
トマトは、その酸味がグラタン風トーストが持つ濃厚な味をリセットしてくれて、いい口休めになっている。
自家製のコーンサラダも他の食材の味を邪魔することなく、良い引き立て役になっていて、たまらない美味しさだ。
〆にいただくトアルコトラジャは、トーストの味を受け止めるどっしりとしたコクと深みがあって、何とも言えない満足感をもたらしてくれる…。
うーん、さすがはタウン情報誌のカフェ特集に取り上げられたお店だけあって、とても美味しいトーストにサラダ、コーヒーだったなぁ~。
市街地から外れた立地だから、職場の人間や知り合いに見つかることもそうないだろうし、平日昼間の隠れ家にはもってこいのお店って感じなのが気に入っちゃったなぁ。
↑トーストセットを食べ終わって、しばらく雑誌を読んでお腹がこなれる(※)のを待っていたのだが、先ほど一緒に買っていた菓子パンがどうにも気になってしまい、思わず1個だけ手を出してしまった瞬間(笑) あんぱんは外側がふんわりして、上品な甘さの餡と桜の花びらの塩漬けとよくマッチして美味しかったですよ!
※お腹がこなれる…食べたものが胃の中で消化されて、落ち着いた状態になること
あ~、すっかり堪能してしまった。
こんな街はずれに(・∀・)イイ!!お店があったとは、まだまだ俺もリサーチが足りないなぁ。もっと情報収集しないと!
美味しいお店をまた1軒知ることができた喜びを胸に、午後の営業回りにいそいそと出かけていく馬人おぢさんであった(終)
本日の「たまにいくならこんなお店」
ボーションドブレ
電話番号:023-646-7088
営業時間: 7:30~ (定休日:なし?)
本店は河北町谷地(B級グルメの「肉そば」で有名)にあり、当支店は七日町にあったお店が移転してきたものとか(30へぇ)。
パン・サンドイッチ類は1個150~300円程度の価格帯。1階で飲み物を同時に購入して、2階の座席でいただくことが可能である。
今回は時間の関係で食べられなかったモーニングだが、ワンコイン(500円以内)で飲み物(コーヒー、ジュース、スープ)とパンの盛り合わせがいただけるものとなっており、それもなかなかの逸品だとか(次回、ぜひ食べてみたいと思います)。
このお店に近い喫茶店・カフェとなると「コメダ珈琲」があるが、コメダでよく注文する「たっぷりアイスコーヒー」と当店の「トアルコトラジャ」のコクと深みのある味を比較すると、ボーションドブレさんの方が美味しいので、今後はその日の気分(読みたいスポーツ新聞があるとか…)で、お店を使い分けることになりそうである。
その美味さは、150kmストレートど真ん中級!豚生姜焼定食~河島屋食堂(山形県山形市)
長い期間、その地域に住んでいれば、いつの間にやら、自然と自分にとっての行きつけのお店というものができるものである。
日中の営業回りの合間に定番の定食を食べるお店、給料が出たときやちょっとだけ贅沢をしたいときに職場の先輩と立ち寄る、女将が待つ割烹料理のお店、焼肉店etc…。
今回紹介するお店は、日中の営業回りの合間や仕事帰りでクタクタで、もう自宅で食事をする気がしないときなどに、定番の定食類や丼類をいただく「街の定食屋さん」である。
…さて、午前中の得意先回りは、これで終わりっ…と。
先方の担当者との打合せはまぁまぁ上手くいったし、上司にもいい報告ができそうだ。
午後は県庁に行く予定だけど、アポイントメントの時間まではまだ余裕があるし、少し早いけれども、お昼ご飯をいただいてしまうとしよう。
ということで車を走らせ、向かった先は十日町である。
国道112号線である七日町のメインストリートから東に2本、離れた通りにお店はある。
↑この日の市内は天気も良く、風もおちついていたので、少し外を歩くにはもってこいの日和だった。
さて、今日のおすすめメニューは何だろな?(*´ω`*)
↑今日のランチは「豚生姜焼定食(750円)」だった。
黒板に書かれた「カツ丼ともりそばのセット」や「カキフライ定食」の選択肢も捨てがたく、入店前から何を注文するか、非常に悩まされることに…(笑)
意を決して入店すると、若い女性店員から、
「左奥のカウンター席が空いていますので、そちらへどうぞー!」
と誘導される。
新聞・雑誌類のラックから、地元新聞を取り出し、いそいそと席へ着く。
↑セットメニューで800円~、一番高い定食でも900円と、麺・ご飯の大盛りさえ頼まなければ、1食1000円で十分お釣りが返ってくる値段設定。
ちょうど女性店員がお冷やを持ってきてくれたタイミングで、
「じゃあ、今日のランチ、豚生姜焼定食をお願いします」
と声を掛けると、
「今日のランチですね。生姜定(しょうがてい)、一丁(いっちょう)ぉーっ!」
と、奥の厨房めがけて、店員さんの威勢の良い、黄色い声が飛んでいく。
やれやれ…。あとは新聞でも読みながら気楽に待ちますか…。
気の抜けた感じでパラパラと面白くもない新聞(地元紙)をめくっていくうちにも、カウンターにいた先客は食事をさっさと終えて店を出ていき、入れ替わりで新しいお客のグループがやってきたりする。
やっぱりランチタイムの飲食店は、一種の戦場だよなぁ…(苦笑)
…で、10分後。
女性店員さんの「お待たせしましたー!」という声とともに運ばれてきたのが、↓の定食である。
↑ボリュームのある一枚肉が6枚ほど乗った、豚生姜焼き。添えられたレモンを途中で絞って味変を楽しむのもまた良し!
では、生姜焼きが冷めてしまわないうちに、とっとといただいてしまいましょう!
いただきます!
まずはやっぱり、この生姜焼きからだ。
見た目、豚肉の一枚一枚が結構大きいんだけど、筋切りなどの下処理が丁寧にされているせいなのか、どれもすごく柔らかくてウマいいぃ!(*´ω`*)
たまーに、全然噛み切れないような安い肉が使われている生姜焼きがあったりするけど、この生姜焼きはレベルが高いぞぉ!
炒められた玉ねぎはシャキシャキ感がほどよく残っていて、甘辛いタレがからんで、これまた美味しいし。
こりゃあ、ご飯が進んでしまって仕方がないなぁ。
小鉢のポテトサラダと思っていたものは、ジャガイモではなく、サツマイモが使われていて、ジャガイモにはないポクポクとした食感と優しい甘さが利いていて、何ともいえない独特の味わいがあるし。
お味噌汁も、刻み菜っ葉と大根、ナメコに豆腐と具だくさんで、これまたどっしりとした食べ応えがある!
自家製と思われる、箸休めのカブの漬物は、ほんのりと桜色に色づいて綺麗だし、春を先取りしたみたいで、ちょっと贅沢な気分になれる(笑)
かくして、お盆の上にあった数々のおかずとご飯が全部なくなるまで、そう長い時間はかからないのであった…(お約束)
ふぅ…ごちそうさまでした、っと…。
いやぁ、実に美味しかったなぁ。
今日はたまたまランチが豚生姜焼定食だったから、それを選んじゃったけれども、次はカツ丼ともりそばのセットか、ワンタンメンを食べるのも良さげだなぁ。
次のこっち方面の営業回りって、いつだったっけかなぁ…?
またここに来るのが、今から楽しみになってきちゃったよ。
本当に美味しいご飯は、人を元気に、生き返らせてくれるよねぇ…
さて、お会計を済ませて、次なる仕事場に向かうとしましょうか。
会計を済ませてお店を出ると、さっそく生姜焼きの生姜が効いてきたのか、身体がポカポカと温まってきた。
たっぷりとスタミナをつけたことだし、午後も頑張ろう!
そうつぶやきながら、次なる仕事場に向けて自分は歩き出した。
今週はまだ始まったばかりである。
頑張れ、馬人おぢさん!行け、馬人おぢさん!(終)
本日の「たまにいくならこんなお店」
河島屋食堂
電話番号:023-622-1279
営業時間:11:30~14:30
17:30~20:30 (定休日:日曜日)
山形駅からは歩いて15分ほど(約1km)、香澄町や七日町のオフィスビル街からは少し離れた立地になるが、毎日、昼飯時になるとスーツ姿のサラリーマンや学生のグループで賑わう。
店の無料駐車場はあるものの、一度に駐車可能な台数は「3台」だけであり、運が悪いとスペースが空くまでしばらくその場で待機するか、その日はお店での食事を諦めざるをえなくなる。(最終手段として、近くの有料コインパーキングを利用する手もなくはないが、現金収入が貴重な山形では、できれば余計な出費は避けたいものである)
ということは、このお店を訪れるサラリーマンの多くは、おそらく近所のオフィスから徒歩または自転車で来ているのだろうか。たしかにお客の体型を見ていると、健康に気を遣ってそうな初老~50、60代の男性が多いような気がする。
昼と夜の営業をしていて、かつ豚生姜焼定食(定食類)、ワンタンメン(ラーメン類)、カツ丼(丼物)と、定食屋の「三種の神器」が揃ったお店というのはなかなか貴重な存在なので、今後も営業を頑張ってほしいお店のひとつである。
元気が出る飯、元気飯!愛情盛りの「あいもり天」~⑥蕎麦やま七(山形県山形市)
週末の日曜は2月3日。いわゆる「節分の日」だったが、特に遠くへお出かけしたりはせず。
隣県仙台市の仙台東照宮や秋保神社などでは「節分祭」が賑やかに行われていたようだが、人ごみの中で「福」と一緒に、風邪の菌やインフルエンザウイルスまでもらってしまうのは嫌ですからねぇ…(苦笑)
<節分>2000人に「福は内」仙台東照宮で豆まき | 河北新報オンラインニュース
民話の里の鬼退治!宮城県・秋保神社で「秋保神社節分祭 豆まき神事」開催 | NewsWalker
杜のコミフェス – 杜コミは仙台で開催する同人交流即売会です
もう一つ、仙台駅前の「E Beans」9階杜のイベントホールで、「杜のコミフェス2」なる同人即売会が開催ということで、こちらへの一般参加も前々から検討していたのだが、お目当てのサークルである「宮城ラーメン組っ!」の主宰、髙橋わな美氏がインフルエンザに倒れてしまい、当日は欠席する予定という情報がツイッターで流れてきたこともあり、泣く泣く遠征を取り止めたのだった。
…さて、2月に入って、ボチボチ確定申告(還付金請求)の準備をしなければならない時期がやってきた。
ブログ主は健康状態に不安を抱えている身(高血圧、高コレステロール、高脂血症、高尿酸血症、睡眠時無呼吸症候群etc…)で、月~2ヶ月に1回はかかりつけの内科医、整形外科医に通っているため、その診察料と医薬品代だけで結構な額(年間15万円以上)を自己負担している。
この医療費控除とふるさと納税による寄付金控除の申請を行うことで、翌年の住民税減税といくばくかの還付金が得られるというのだから、確定申告の手続きをやらない理由はない。というわけで、ふるさと納税を始めた4~5年前頃から、毎年この作業をするのがルーティンとなっている。
常日頃から領収書をきちんと一カ所に整理しておいて、エクセル(表計算ソフト)で数字(支払った金額)をまとめておけばよいのだが、つい日頃の忙しさにかまけてしまい、直前になってバタバタと提出書類を作るのが恒例になってしまってもいる(苦笑)
“今年こそはそうならないように!”ということで、今日は一念発起して喫茶店にこもり、事務作業をコツコツとこなしていたのだった…。
時計が午後1時を回るころ、税務署への提出書類の作成に必要な平成30年分の医療費総額がようやく明らかになったところで一息入れて、少し遅い昼食を摂ることにした。
あ~あ…、結構な数の領収書とパソコンの画面を互いににらめっこしてたら、さすがに疲れちゃったなぁ(ゲッソリ)
さて、今日は何を食べたものかなぁ。
「さっぱりしたもので、かつ食べ応えがあるもの」となると…。
うん、今日はあっこの店に行ってみるとするか!
というわけでやってきたのは、山形市七日町にある「蕎麦やま七」さんである。
(山形市七日町で営業している蕎麦屋だから「やま七」。安易安直なネーミングだが、非常に覚えやすくていいと思う(笑))
↑七日町は山形市を代表する「夜の歓楽街」の一つということもあり、昼間の通りはガラーンとして非常に静かなものである。ひとが一人通れるぐらいの幅である、
お店の入り口にはのれんと提灯が下がっているものの、ひっそりと目立たないこともあり、店の存在を知らない人だと、気が付かずに通り過ぎてしまいそうである。
↑別角度からの一枚。お隣は酒店だが、この時間からシャッターが下りている。
(今日って、やま七さんは営業しているんだよなぁ…?)
のれんは掛かっているものの、不安な気持ちに駆られながら、おづおづと通路奥の店内を目指していくと…。
(お、良かった。店内は電気が点いているぞ!ちゃんと営業している。)
「あ、いらっしゃいませー!」
給仕役の女性店員がこちらに気が付き、微笑みながら声を掛けてくれる。
13時半近くになっていたが、サラリーマンや学生の二人組、老婦人のグループなどで意外にもテーブル席はすべて埋まっている。
(これはしばらく待つか、相席をお願いしないとダメかなぁ…?)
と思いきや、奥の座敷席が一つだけ空いていたので、そこに滑り込むように座り込む。
何を食べるかはもう店に入る前から決めていたので、まもなく店員さんがお茶を出してくれたタイミングで、迷うことなく注文の口上を述べる。
「すみません、『あいもり天』をひとつ、お願いします!」
「はーい、かしこまりましたー。」
店内に設置されたテレビでワイドショー番組を見ながら、蕎麦が出てくるのをボンヤリと待つ。
…10分後。
「お待たせしましたー。こちら、あいもり天になりますー」
という店員さんの声とともに出てきたのが、こちらのお盆のセットである。
↑セイロからこぼれない、ギリギリ一杯までこんもりと盛られた中華麺と蕎麦の合い盛り。
右の別皿には、ゲソ天と薬味のネギ。その下に蕎麦つゆがある。
↑セイロだけアップした画像。 この量が、やま七さんでは「普通盛り」となる(笑) しかも、お値段は驚異の750円(税込)というのだから恐れ入る。
山形市内では、盛りが良いと言われる「そばのまるごまるご」さんを差し置いて、おそらくはダントツの盛りの良さと思われる。
これはもう、合い盛り(中華麺と蕎麦)を超えた、愛情盛りや~!
ではさっそく、いただきます!
ニュースでは国内最大の耕作地である北海道産そばの不作により、原料である「そば粉」の高騰が取り上げられている中、庶民的な値段で大盛りの蕎麦と中華を提供しているお店に感謝しながら、麺を手繰(たぐ)っては口元へと運び、ズルズルと音をたてて啜(すす)っていく。
一口大に切られたゲソ天も歯ごたえがあり、この田舎蕎麦とバツグンの相性で、たまらない味だ。
前半は蕎麦だけ先にいただいてしまい、後半の中華麺については、ツユにちょっと細工をしていただくのが、自分流だ。
鰹出汁の利いたツユに、卓上の酢とラー油、七味唐辛子を投入していただくと、また違った味わいが生まれるのだ。
…かくして15分も経った頃には、あれだけ山のように盛られていた蕎麦と中華麺は跡形もなく消え失せ、お盆には空っぽのセイロと皿、丼だけが残った。
ぷふぅ~、さすがにお腹いっぱいだぁ…。
あとは最後の〆に、余ったそばつゆにそば湯を加えて、いただいてっ…と。
ああ、これは温まるなぁ。いやぁ、久々にやま七さんに来たけど、来てよかったなぁ。
ふと壁の時計を見やると、時計の針は午後2時をまわっていた。
そういえば、たしかこのお店は午後2時で閉店するんだったっけな。
まだ隣のテーブル席には学生二人組の客がいるけれども、長居は無用か。
久々の慣れない座敷席で、少々痺(しび)れた足を引きずりながら、自分は席を立った。
「どうも、ごちそうさまでした!お会計をお願いします!」
「はーい。あいもり天で750円になります。ありがとうございましたー!」
女性店員の気風(きっぷ)のいい声に見送られながら、自分は気分よく店を後にするのであった。
本日の「たまにいくならこんなお店」
蕎麦 やま七
電話番号:023-631-5588
営業時間:11:00~14:00 (定休日:日曜日)
盛りの良さは山形市内でも随一の「蕎麦やま七」さん。
味はそこそこであるものの、普通盛りで、手軽にお腹いっぱいになれるということで、近所の学生(山形大学)が昼休みに自転車で食べに来ることも多いとか。
難点は、昼だけの営業である(←山形の蕎麦屋には結構多い)ことと、店専用の無料駐車場がないことである(泣)
車で来た場合は最寄りのコインパーキングを利用することになるが、蕎麦やま七の敷地隣にある「タイムズ山形七日町第2」は日中「200円/40分」という料金設定になっており、こちらの利用は正直おススメしない。
経験上、時間内(40分)に食事を終え、車に戻ってこれそうで戻ってくることができず、駐車料金400円を請求されるケースが殆どだからである。
上図のとおり、タイムズ山形七日町第2の中を歩いて突っ切ることが可能なので、道路をはさんで向かい側にある「ダイヤパーク七日町4丁目」(こちらは日中「100円/30分」)に駐車するのが、最も経済的と思われる。(平成31年2月現在) 少人数(2~3人)のグループで来ることができれば、さらにお得であろう。
個人的には山形へ来ることがあれば、ぜひ一度、話のタネに訪問いただきたいお店のひとつである。
江戸時代から続く由緒正しき和菓子屋を訪ねて…と昔の思い出話~蛸屋製菓(宮城県仙台市)
(※今回は、前々回のブログの続きになります。)
陣中の閖上工場直売店さんを後にした自分は、その足で、長町方面へと向かった。
長町かぁ。そういや、この辺もしばらく来ていなかったなぁ。
何か面白いネタでも転がっていないもんかなぁ…。
………おー、そういえば、しばらくあっこの和菓子屋さんに寄っていなかったぞ。
久々に顔を出してみるとするか。
ふと、そのお店の存在を思い出して、やってきたのがこちらのお店である。
↑画像では見切れてしまっているが、入り口の上に「蛸屋(たこや)」という屋号が燦然と輝いている(いや、実際はくすんでしまっているかもしれないが(笑))。
今の季節ならではの限定商品(「富貴豆(ふうきまめ)」や「わらびもち」)が入り口のガラス扉に貼られているのが、いかにも和菓子屋さんらしい。
さっそく、入り口の戸板をガラガラと開けて、店内へ。
「こんにちはー」
「はい、いらっしゃいませ…」
今にも消え入りそうな、静かでか細い女性の声が返ってくる。
今日は、女将さん(?)とおぼしき老齢の女性店員が一人いるだけのようだ。
昼下がり、午後2時を少し回った頃とあって、ショーケースの中身は残り少ない。
とはいえ、もう売り切れてしまった商品はないようだ(ラッキー!)
この日、ケース内に並んでいたのは、この店の代名詞ともいえる「全勝餅」「すあま」「わらびもち」「豆大福」「大納言かのこ」「しそまき」「ごまもち」「栗まんじゅう」「きんつば」など。
子どもの頃から大好物の「すあま」のほか、目についた「豆大福」「きんつば」「栗まんじゅう」「全勝餅(色違いで2個)」を思うがままに購入する。大の男がひとりで食べるには多い気もしたが、少しでもお店にお金を落としていきたいという気持ちのほうが先行したので、この際、購入した数については気にしないことにした(笑)
先にお会計を済ませて、女将さんが菓子をパック詰めしている間、店内をしばし観察する。
↑商品を詰める木箱(市外局番が書かれていないことから、まだ電話が珍しかった当時、昭和30~40年頃から使われているものであろうか)や、その昔、全国菓子博覧会で金牌を受賞した時にもらったと思われる賞状(?)、「蛸屋」の由緒が書かれた紙などを見ていると、昭和以前にタイムスリップしたような錯覚を覚える(笑)
↑蛸屋の由緒を伝える紙だけ、アップにしてみました。
「菓子職 蛸屋
元禄11年奥州街道沿い(現南鍛冶町付近)にて開業と伝えられております(文献無)
屋号の由来は諸説あり、店印としての蛸の絵の幟(のぼり)から、また、その幟を見て殿様が屋号を蛸屋と名乗るがよいと言ったとか。その他、当時、菓子屋は菓子屋らしい屋号はだめ、魚屋は魚屋らしい屋号はだめ、といった定めがあったとも。
初代は忠吉。7代目まで同名。
明治になり、屋号がそのまま苗字となり、8代目 蛸 忠十郎が長町に移転、日露戦争時に発売の全勝餅は縁起物として世に知られ、大正六年には全国菓子博覧会にて金牌受賞、のちに日本橋にも出店。園遊会にも供せられる。
忠十郎の長男は死去、次男忠治が本家、三男忠太郎が分家として長町駅前に蛸屋を出店。その他長女が南町、五男正志が日本橋に蛸屋を出店。
本家は九代目忠治、十代目高明にて閉店。
分家忠太郎の三代目、蛸 秀樹が十一代目となります。(現在は長町駅前店のみ)」
(原文ママ)
※本家が閉店したことについては、街での噂(親、まちBBSなど)、伝聞の範囲ですが、少しだけ、その事情を知っているので後述したいと思います。
↑店の中央には、朱文字で染め抜かれた「全勝餅」ののれんがかかっている。
店内をあらかた見終えたところで、女将さんもちょうどパック詰めを終えて、ショーケース越しに商品が入った袋をスッと差し伸べてくれた。
「どうも、お待たせしました…」
商品を受け取る際に、思い切って、女将さんに声を掛けてみた。
「年が変わっても、またここ(蛸屋)のお菓子がいただけるのは、嬉しいですねぇ。
久しぶりに買いに来ましたけど、ここだけは変わらない。
また、春の彼岸になったら買いに来ますから、どうぞよろしく。」
「あら、そうでしたか…。また、お待ちしております…」
何とも弱々しい声で、商売っ気がない感じに映ったが、女将さんの顔にようやく少しだけ、笑みが浮かんだような気がした。
商品の入った袋を受け取って、自分は店を出た。
近年、再開発の波が激しく押し寄せてきているここ長町駅前で、いつまで「蛸屋」の屋号を拝み、その味を楽しむことができるのかな、と不安な気持ちに駆られながら…。
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で、自宅に持ち帰ってきたのが、こちらである。
↑包み紙のデザインは、おそらくずっと変わっていないのだろうなぁ。
電話番号に市外局番が入っていないのが、時代を感じさせる。
↑左上から、「すあま」「全勝餅(緑)」「きんつば」
「豆大福」「全勝餅(ピンク)」「栗まんじゅう」
「すあま」はモニモニとした弾力とほのかな甘みが、緑茶にピッタリ!
「豆大福」は豆の一粒一粒が味わい深く、その塩っ気と餡子の相性がピッタンコ!
「きんつば」は、これ一個で和菓子を食べた!という満足感がある!
「栗まんじゅう」の、この綺麗に焼き上げられた皮の照り具合ときたら、もう…!
一口でまるごと口にほおばり、その皮と中にゴロリと詰まった甘ァい栗の実と白あんとが混然一体になったときの美味しさたるや…、まさに珠玉の一品である。
↑上に粉雪のように、葛の粉がまぶしてある「全勝餅」。
たしか、「緑」にはこしあんが、「ピンク」には白あんがそれぞれ入っていたような…気がします(詳細を確認せずに食べてしまった、頼りないブログ主をお許しください(汗))
あっさりとした味わいで、飽きることなくいくらでも食べられそうな感じでしたよ。
なお、今回は和菓子を6個買って、お値段は810円(税込)でした。
長町駅前のかど地(一等地)にお店を構えてて、これで商売が成り立っているのかと、今さらですが、すごーく心配になりました。
お菓子を食べ終わった頃には、当然こうなりました…(笑)(もはや「お約束」)
春の彼岸になったら仙台市内にある菩提寺(父方)の墓参りに行く予定でいるので、そのときはまた蛸屋を訪れたいと思います。2ヶ月ぐらい先の話だけど、きっとあっという間なんでしょうねぇ…。
本日の「たまにいくならこんなお店」
蛸屋(たこや)製菓
電話番号:022-248-1646
営業時間:9:00~18:30 (定休日:日曜日、祝日)
「忠十郎の長男は死去、次男忠治が本家、三男忠太郎が分家として長町駅前に蛸屋を出店。その他長女が南町、五男正志が日本橋に蛸屋を出店。
本家は九代目忠治、十代目高明にて閉店。
分家忠太郎の三代目、蛸 秀樹が十一代目となります。(現在は長町駅前店のみ)」
先述した蛸屋の由緒書きにもあったとおり、本店は蛸屋の“分家筋”に当たる。
女将さんとおぼしき店員さんの商売っ気のなさが不安…と先ほどは書いてしまったが、肝心の和菓子の味は間違いなく「一級品」であり、この味を一個150円ほどで楽しめる長町周辺の住民はいいなぁ…と、うらやましく思ってしまう。
江戸時代から連綿と続く和菓子屋でありながら、そのつつましさから、いつまでも後世に語り継ぎたいなぁと思うのだが、まもなく平成の世が終わり、その後どうなるのか…、当事者ではないものの非常に気がかりである。
↑長町三丁目(現「蛸屋製菓」から通りを400mほど北上した辺り)にあった、在りし日の「蛸屋老舗」。重厚感を感じる木造建築の建物が、丸ごとタイムスリップでもしてきたかのように、現代の商店街にドン!とそびえ立つ様はすごく印象的だった。
(ネット上で一生懸命探したが、建物が潰されてから既に30年近く経つため、蛸屋老舗の画像はこれぐらいしか見つけることができなかった。「ディスカバーたいはく」さん、画像を拝借させていただきます。)
(参考)
…さて、ここからは昔話をしよう。
平成4年(1992年)に十代目の高明氏が急死したことで、蛸屋老舗のレシピの殆どが失われてしまった(後継されなかった)。
特に、店先のガラスと木材で組まれた簡素なケースに並んで売られていた自家製の「菓子パン」は独特の焼き上がりと食感で評判の味だった。(当時では珍しい「ぶどう酵母菌」を使ったパンだったのではないか?と言われているが、真実は闇の中である)
↑画像のパンはイメージです。
ショーケースの中には、「あんパン」「クリームパン」「メロンパン」の定番の菓子パンのほか、ちょっと変わったところだと「レモンパン」など、常時7~8種類くらいの菓子パンが並んでいた記憶がある。
自分が小学生だった当時、月1~2回ぐらい通っていた耳鼻咽喉科や小児科がここ長町にあった関係で、診察が終わった後に、よく診察を我慢したという「ご褒美」の名のもと、蛸屋老舗でおやつの菓子パンを母親に買ってもらったことを思い出す。
本来11代目になるはずだった、10代目高明氏の息子さんや娘さんもいるにはいたが、当時はまだ子どもであり、とてもじゃないがお店を継げる状態ではなかったという話や、「蛸(たこ)」という独特の癖がある苗字ゆえに、その息子さんや娘さんが学校でいじめにあっており、自分の苗字に愛着が湧かず、むしろ疎(うと)ましい、家業の和菓子屋なんて嫌いだ!とすら思っていたらしい…という悲しい話を聞いたこともある。1980年代と言えば、コメディアンの「たこ八郎」氏がテレビで活躍しており、もしかすると、その影響も強かったのかもしれない。
※「たこ八郎」氏自身も宮城県仙台市の出身ではあるが、芸名は自宅近くの行き付けの居酒屋「たこきゅう」から採ったということなので、ここに出てきた「蛸屋」さんとは一切関係ない。悪しからず。
十代目(高明氏)の死去に伴う、長町三丁目の「蛸屋老舗」の急な閉店・廃業は、(長町周辺の)仙台市民に大きな驚きと動揺をもたらしたのは言うまでもない。
たらればの話になるが、蛸屋製菓の和菓子を食べるにつけ、10代目の高明氏がもう少し長生きしてくれていたら…、高明氏と一緒に菓子・パン作りに勤しむ職人さんがいて、レシピがちゃんと引き継がれていたら…、10代目の息子さん、娘さんがもう少し早く成長していたら…(家業を恨んでいたというので難しかったかもしれないが…)と、思わずにはいられないのである(泣)
人の移動により、残念ながらアラフォー以上の仙台市民でも、あの「蛸屋老舗」の存在を覚えている人は少なくなってきている。
だが、お店がなくなって30年が経とうとする今でも、「蛸屋老舗」の菓子パンは日本一の味だったと考えているのは、きっと私だけではないだろう。
↑おまけとして、お店を盛り上げるべく店先に貼られた、「似顔絵(誰だこれ?)」と「4コマ漫画」をば。
こんな風に、お店(蛸屋)のことを大事に思ってくれる人が少しでも増えてくれたらいいなぁ、と思います。